康熙字典解説
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【酉集下】【辵部】過;康熙筆画 16;頁 1261。『広韻』『集韻』『韻会』『正韻』に「古臥切」、戈の去声とある。『玉篇』に「度るなり、越ゆるなり」とあり、『正韻』に「超ゆ」とある。『易・繋辞』に「天地の化を範囲して過ぐることなし」とあり、『礼記・檀弓』に「之を過ぐる者は、俯して就く」とあり、『史記・賈生伝』に「自ら之に過ぐると為すも、今及ばず」とある。また過失の義あり。『書経・大禹謨』に「過を宥むること大なるなし」とあり、注に「過とは、識らずして誤って犯すなり」とある。『前漢・文帝紀』に「倶に細過を去り、共に大道に帰す」とある。また罪愆の義あり。『周礼・天官・大宰』に「八柄、八曰く誅、以て其の過を御す」とある。また責むの義あり。『史記・項羽本紀』に「大王有意に之を督過すと聞く」とある。また卦名なり。『易』に大過・小過あり。また『広韻』『集韻』『韻会』『正韻』に「古禾切」、音戈とある。『広韻』に「経るなり」とあり、『書経・禹貢』に「東に洛汭を過ぎ、北に洚水を過ぐ」とある。また過所の義あり。『釈名』に「過所は関津に至りて示すなり。或いは曰く、伝転なり。所在を移し、識して以て信と為す」とある。また国名なり。『左伝・襄公四年』に「澆を過に処す」とあり、注に「過は国名なり。東萊掖県に過郷あり」とある。また名なり。『詩経・大雅』に「其の過を溯る」とある。また姓なり。『後漢書・劉陶伝』に「過晏の徒」とあり、注に「過は姓なり、過国の後なり」とある。『正韻』に「経過の過は平声、超過・過失の過は去声」とある。考証:『史記・賈誼伝』に「自ら之に過ぐると為すも、今殆んど及ばず」とある。謹んで原書の賈誼伝に拠り賈生と改む。また原文に「殆」の字なきにより今これを省く。『史記・高帝紀』に「将軍有意に之を督過すと聞く」とある。謹んで按ずるに、所引は項羽本紀に出でて高帝紀に出でず。謹んで原書の高帝紀に拠り項羽本紀と改め、「将軍」を「大王」に改む。『釈名』に「過所は関津に至りて示すなり。或いは曰く、伝過なり。所在を移し、識して以て信と為す」とある。謹んで按ずるに、『太平御覧』に引く『釈名』の原文は「伝転なり。所在を移し、識して以て信と為す」なり。今これに照らして改む。