【辰集上】【木部】樹;康熙筆画:16;551 頁
古文【唐韻】常句切【集韻】【韻会】【正韻】殊遇切、音は「殊」の去声。【説文解字】草木を植え育てるものの総称。【左伝・昭公二年】季氏に良樹あり、宣子これを美とす。【礼記・祭義】木は時を以て伐る。【淮南子・原道訓】萍は水に根ざし、木は土に根ざす。
また【爾雅・釈宮】屏風を樹という。【論語】邦君は門に樹を設く。
また【揚子・方言】床を杠という。北燕・朝鮮の間では樹という。
また獣の名。【儀礼・郷射礼】君、国中に射せば皮樹に中つ。【注】皮樹は獣名なり。皮をもって樹の形を作り、これに射るをいう。
また姓なり。【後魏・官氏志】樹洛于氏あり、後に樹氏と改む。
また【唐韻】【広韻】【集韻】【韻会】【正韻】臣庾切、音豎と同じ。扶持し立てるの義。【徐鍇説】樹の義は豎のごとし。木を植うるを樹という。【易経・繋辞】古の葬り、封せず樹せず。【詩経・小雅】荏弱なる木、君子これを取る。往来する行人、心みなこれを経営す。
また建立・樹立を指す。【尚書・説命】天子・諸侯を立て、以下大夫・師長を配す。【泰誓】徳を樹つることは滋長を務め、悪を除くことは除根を務む。【畢命】善を表し悪を憎み、良風美俗を樹つ。
また諸侯の嫡子、天子の命を受けて嗣ぎと定められたるを樹子という。【穀梁伝・僖公九年】既に立つ所の樹子を変易することなかれ。
俗に「

」と書くも誤りなり。
考証:【儀礼・郷射礼】「君国中射皮樹」。謹んで原文に拠り、「皮」の上に「則」の字を加え、「樹」の下に「中」の字を加う。