康熙字典解説
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【酉集中】【貝部】貝;康熙筆画 7;頁 1204
『唐韻』『集韻』『韻会』に「博蓋切」とあり、音は「」に同じ。
『埤雅』に「貝はその背を用いるゆえに貝という」とある。
『説文解字』に「海中の甲ある虫なり。古は貝を貨とし、亀を宝とす。周に至りて泉幣有り、秦に至りて貝を廃し、銭を行ず」とある。
『爾雅・釈魚』に「陸に在るを贆といい、水に在るを蜬といい、大なるを魧といい、小なるをという」とある。
【注】大貝は車渠(一種の大貝)のごとく、小貝にも紫なるものあり。
【又】「余貾」というものあり、黄地に白文なり。
【注】黄を地とし、白文を斑点となす。
【又】「余泉」というものあり、白地に黄文なり。
【注】白を地とし、黄を文の斑点となす。即ち今の紫貝なり。
【又】「蚆」というものあり、広くして中隆く両端尖る。
【注】「頯」は中広くして両端尖るをいう。
【又】「蜠」というものあり、大にして縁薄し。
【注】「険」は縁薄くして質悪きをいう。
【疏】これは貝の陸に在り水に在る、及び大小・文彩の色異なるの名を弁ずるなり。
『相貝経』に「朱仲、琴高よりこれを得て、会稽太守厳助に献ず」とあり、書中に略して「貝満一尺、形赤電黒雲のごときを紫貝といい、紅地紅文なるを珠貝といい、青地緑文なるを綬貝といい、黒文黄画なるを霞貝という。これに次ぐものに浮貝・濯貝・皭貝・慧貝あり」と説く。
又『山海経』に「陰山の漁水に文貝多く、邽山の濛水に黄貝多し」とある。
『易・震卦』に「億喪貝」とあり。
【注】貝は資財糧食の類なり。
『書・盤庚』に「汝の貝玉を具せよ」とあり。
【疏】貝は水中の虫なり。古人その甲を取って貨と為すこと、今銭を用うるがごとし。
又『顧命』に「大貝」とあり。
【伝】大貝は車渠のごとし。
『史記・平準書』に「農工商賈の道通じ、ここに亀・貝・金・銭・刀・布行わる」とあり。
【注】『食貨志』に十朋五貝あり、皆貨と為し、価それぞれ異なり。貝二つを一朋とす。故に価二百十六なり。
又錦の名を指す。
『書・禹貢』に「筐には織貝を盛る」とあり。
【疏】貝は錦の名なり。
『詩・小雅』に「雑々たる文、間々たる色、この貝錦を織成す」とあり。
又楽器を指す。
『正字通』に「梵貝は(一种の法螺貝)、大なるもの数斗を容るべく、螺類中の大なるものなり。南方の蛮夷これを吹いて節をなす」とある。
又装飾を指す。
『詩・魯頌』に「貝胄、朱綅以之」とあり。
【伝】貝胄とは、貝をもって飾れる冑なり。
【疏】貝殻に文あるゆえ、もって飾りと為す。
又州名を指す。
『広韻』に「周、貝州を置き、貝丘をもって名とす」とある。
又姓を指す。
『玉篇』に「貝氏、清河貝丘に出ず。『姓苑』に曰く、古に賢人貝独坐あり、唐に貝韜あり」とある。
又『正韻』に「邦妹切」、音「背」に同じ。義も同じ。
又『集韻』に「敗」の古字を「貝」と作るとあり。注は攴部七画に詳らかなるを見よ。