康熙字典解説
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【子集下】【冫部】氷;康煕字典画数:6;ページ:第 131 頁第 24 列
古典文献の記載:
『唐韻』は「筆陵切」と注音し、『集韻』『韻会』は「悲陵切」と注音して、音は「逼」の平声に似る。
『説文解字』では元来「仌」と書く。
徐鉉の注に曰く、今は通じて「氷」と書く。
『韓詩』の解説に曰く、氷とは深山幽谷の陰寒の気が積もりて発散せず、凝結して伏せる寒気となったものである。
『礼記・月令』に曰く、孟冬に水始めて氷り、仲冬に氷益々厚く、季冬に氷勢最も盛んなり。河沢堅く凍れば、令を下して氷を取り、氷室に納む。
『周礼・天官』に曰く、凌人は氷を供する事を掌る。秋に氷室を掃き、冬に氷を蔵し、春に氷室を開きて氷を取り、夏に氷を頒つ。
また『爾雅・釈器』に曰く、氷とは脂膏を指す。
注に曰く、『荘子』に「肌膚は氷雪の如く潔白なり」とあり、氷雪とは即ち脂膏のことである。
釈に曰く、脂膏はまた氷脂ともいう。
また、矢筒の蓋を「氷」という。
『左伝・昭公二十五年』に曰く、昭公の兵は鎧を脱ぎ、矢筒の蓋を持って蹲踞せり。
注に曰く、氷とは矢筒の蓋のことである。
釈に曰く、弓を収める器なり。あるいは言う、矢筒の蓋は水を酌んで飲むに用うるべしと。
また『集韻』『正韻』は「魚陵切」と注音し、音「凝」に同じ。「凝」の字と同じ。
『正韻』に曰く、古文には「氷」を「仌」と書き、「凝」を「氷」と書く。後世の人々は「氷」をもって「仌」に代え、「凝」をもって「氷」に代う。
また『集韻』は去声にして、「逋孕切」と読む。
『唐書・韋思謙伝』に「涕泗氷須」とあり。
注に曰く、涙が鬚に流れて凝結したことをいう。
李商隠の詩に「碧玉氷寒漿」とあり。
また『韻補』は葉音「筆良切」、音「浜」に近し。
陳琳の『大荒賦』に曰く、心殷しく感慨して、憂思綿長にして悲しみを加う。惆悵として歎息し涙を拭い、泪珠を揮って氷と凝らす。
考証:
『韓詩外伝』に曰く、氷とは深山幽谷の陰気積もりて発散せず、結んで伏せる寒気となると。謹んで按ずるに、『韓詩外伝』にこの句なく、『初学記』が引いて『韓詩』とする。今『初学記』の原文に従い、「外伝」の二字を刪り、「氷者」の前に「説」の字を加え、「結」の字の後に「而」の字を加う。
『正韻』に曰く、古文には「氷」を「仌」と書き、「凝」を「氷」と書く。後世の人々は「氷」をもって「仌」に代え、「凝」をもって「氷」に代う。謹んで文義に按じ、「伐氷」を「代氷」に改む。