康熙字典解説
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【亥集下】【龍部】龍;康熙画数:16;頁 1536。古文に竜・龒と作る。『唐韻』『集韻』力鍾切、『韻会』『正韻』盧容切、音は籠。『説文』に「龍は鱗虫の長なり。幽くして能く現れ、微にして能く巨なり、短にして能く伸ぶ。春分に天に登り、秋分に淵に潜る」とある。『広雅』に「鱗あるを蛟龍といい、翼あるを応龍といい、角あるを虬龍といい、角なきを螭龍といい、未だ天に昇らざるを蟠龍という」とある。『本草註』に「龍は耳聾なれば、故に龍と名づく」とある。『易・乾卦』に「時を御して六龍を乗じて天を行く」とあり、また星宿の名なり。『左伝・僖公五年』に「龍尾伏辰」とあり。『疏』に「角・亢・氐・房・心・尾・箕、此れ蒼龍の七宿を成す」とあり。また『襄公二十八年』に「龍星は宋・鄭の分星なり」とあり。また山の名なり。竜門山は河東に在り、『禹貢』に見え、竜山は『山海経』に見え、封竜山は『括地志』に見える。また地名なり。『左伝・成公二年』に「斉侯我が北鄙を伐ち、三日にして龍を取れり」とあり。『註』に「龍は魯の邑なり。泰山郡博県の西南に在る」とあり。また『前漢書・地理志』に「敦煌郡に龍勒県あり」とあり。また官名なり。『左伝・昭公十七年』に「太皞氏は龍を以て紀す、故に龍師を置き、龍を以て名を命ず」とあり。また句龍あり。『左伝・昭公二十九年』に「共工氏に子あり、句龍と曰う」とあり。また馬の名なり。『周礼・廋人』に「馬八尺以上を龍と曰う」とあり。『礼記・月令』に「蒼龍に乗ず」とあり。また龍輔あり、玉器なり。『左伝・昭公二十九年』に「昭公衍に羔裘を賜い、龍輔を以て斉侯に献らしむ」とあり。また草の名なり。『詩・鄭風』に「隰に遊龍あり」とあり。『陸璣・草木疏』に「また馬蓼と曰い、水沢中に生ず。今の人之を小葒と謂う」とあり。また神の名なり。『山海経』に「燭龍という神あり」とあり。『屈原・離騒』に「日安不到、燭龍何照」とあり。また姓なり。漢に龍且あり。また複姓あり。夏の関龍逢は豢龍氏の後なり。漢の御史擾龍群は劉累の後なり。また人名なり。奢龍は黄帝の臣なり。『管子・五行篇』に「奢龍東方を弁ず、故に土師と為す」とあり。また舜の臣の名なり。『書・舜典』に「帝曰く、龍、朕命ず汝に納言を作せしむ。夙夜朕の命令を出だし、朕の声を揚ぐ」とあり。また『広雅』に「龍は君なり」とあり。また『広韻』に通ずるの義あり。また『玉篇』に尊ぶの義あり。『詩・商頌』に「何天之龍」、我敬んで之を受くとあり。『毛伝』に「本字の音に読むべし」とあり。『朱伝』に「寵なり」とあり。また『玉篇』に和順の義あり、萌発の義あり。また『正韻』に寵と通ず。『詩・商頌・何天之龍』の釋文に「鄭玄は寵と読み、栄光の称なり」とあり。按ずるに朱熹の註は葉音として扱う。また『正韻』に曨と読む。『孟子』に「龍断」とあり。また『集韻』『韻会』に莫江切、音は厖。『集韻』に雑色の義あり。『周礼・冬官考工記』に「玉人が上公の玉を作るに龍を用ゆ」とあり。『註』に「雑色の玉を謂い、純色にあらず」とあり。また葉音に蒲光切、音は龐。『易・坤卦』に「故に龍と称す」、上文の「陽に嫌う」の陽と韻を協す。『揚雄・解嘲』に「鴟鸞を執って鳳を笑い、守宮を捉えて亀龍を弄ぶ」とあり。『説文』に「肉を帯びて飛ぶ象形、省ける童を声とす」とあり。『徐鉉曰く』、「宛転飛動する象なり」と。考証:『爾雅・釈畜』に「馬八尺を龍と為す」とあり。謹んで按ずるに、『爾雅』は駥の字を作り、龍の字に作らず。今改めて『周礼・廋人』「馬八尺以上を龍と曰う」に拠る。