康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 189 ページ)
【丑集上】【口部】員;康熙筆画 10;頁 189。古文に云う。『唐韻』王権切、『集韻』『韻会』『正韻』于権切、音は圓。『説文』に「物の数なり」とあり。〔徐鉉曰〕古は貝を貨としたがゆえに、これを数う。また『玉篇』に「官の数」とあり。『史記・平原君伝』に「願わくは君、即ち遂をもって員を備へて行かしめよ」とあり。『前漢書・尹翁帰伝』に「員程を以て責む」とあり。〔註〕師古曰く、「員は数なり」。また『正韻』に「周なり。幅員、亦た幅隕と作る」とあり。『詩・商頌』に「景員維河」とあり。〔伝〕員は均なり。幅隕と同じ。また『広韻』『集韻』王分切、『韻会』『正韻』于分切、音は雲。『広韻』に「益なり」とあり。『詩・小雅』に「爾の輔を棄つるなかれ、員して爾の輻にすべし」とあり。〔伝〕員は益なり。また地名。『前漢書・匈奴伝』に「前将軍、塞を出でて千二百余里、烏員に至る」とあり。また鄖に通ず。『前漢書・古今人表』に「員公辛」とあり。〔註〕師古曰く、「員は読んで鄖と曰う」。また雲にも通ず。『詩・鄭風』に「聊ぞ我を員(云)に楽しめ」とあり。『釈文』に「員は本た云と作る」とあり。『商頌』「景員維河」の〔箋〕に「員は古文に云と作る」とあり。『釈文』に「員は毛は円と読み、鄭は雲と読む。二音みな読むべし」とあり。また『集韻』于倫切、『韻会』為贇切、音は筠。『集韻』に「人の字なり」とあり。『左伝・襄公二十六年』に「行人の子員」とあり。また『広韻』『集韻』『韻会』王問切、『正韻』禹慍切、音は運。『広韻』に「姓なり。前涼録に金城の員敞あり。唐に棣州刺史の員半千あり」とあり。『韻会』に「伍員は人名なり。後人これを慕ひて姓と為す」とあり。按ずるに、『左伝・昭公二十年』の伍員、『釈文』は本音雲とす。楊慎曰く、「陸亀蒙の詩に『頼得伍員騒思少』とあり、誤って平声を読む」と。此の説非なり。員の字は平・去の二音みな読むべし。『玉篇』『広韻』は貟と作る。考証:『詩・小雅』「無棄爾輔,員于爾幅」は、謹んで原文に照らせば「幅」を「輻」に改むべし。『商頌』「景員維河」の〔箋〕「員古與云通」は、謹んで原文に照らせば「古與云通」を「古文作云」に改むべし。