康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 153 ページ)
【子集下】【匚部】匜。康煕字典の画数は 5 画、頁碼は第 153 頁第 14 列。
古代の文字「也」はすなわち「匜」である。
『唐韻』には「弋支切」、『集韻』『韻会』には「余支切」、『正韻』には「延知切」とあり、音は「移」に同じ。
『説文解字』に「盥洗の具なり。形は杓に似たり。柄中に槽道ありて水を注ぐに用ゆ」とある。
『礼記・内則』に「敦・牟・巵・匜(みな器なり)」と見え、『唐書・百官志』に「盥洗すれば則ち匜を奉る」と見える。
また『集韻』『類篇』『韻会』に「演爾切」、『正韻』に「養里切」とあり、音は「酏」に同じ。
別に『集韻』に「唐何切」とあり、音は「駝」に同じ。以上の音義はいずれも同じ。
『正訛』にいわく、「也」の字はもと古の「匜」の字なり。後に虚詞(語気助詞)に借りられ、音は「羊者切」となる。虚詞としての用法漸く多くなり、その本義掩われて、ここに「匚」の偏を加えて「匜」の字とし以て区別す。実に「也」と「匜」とは元来一字なり。