康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 394 ページ)
【卯集上】【心部】愈;康煕筆画:13;頁碼:頁 394 第 03
【広韻】以主切【集韻】【韻会】勇主切、音は「庾」に同じ。
【玉篇】勝る。
【広韻】賢能なり。
【増韻】過ぐ。
【孟子】丹朱の洪水を治むるや、大禹に愈れり。
また進む・増すの意を表す。
【詩・小雅】憂い愈々甚だし。
【蘇氏曰】愈々とは、ますます甚だしいの謂いなり。
また病癒ゆるを表す。
【左伝・昭公二十年】相従うを愈と為す。
【注】愈、病癒ゆ。
【正義】病癒ゆるを愈と曰う。
また【正韻】偶許切。義同じ。
また【集韻】容朱切【韻会】羊朱切【正韻】云俱切、音は「于」に同じ。
【老子・道徳経】動かして愈顕らわる。
【音義】羊主反、また羊朱反。
また「兪」に通ず。
【呉語】越国密かに章を謀る。
【荀子・仲尼篇】愈求むれば愈遠ざかる。音は愈と読む。
【前漢書・礼志】愈甚しくして益なし。
また「瘉」に通ず。
【国語・晋語】東方之士孰か愈なる。
【注】賢能なり。
また【前漢書・芸文志】民間に在るに愈れざるか。
また「愉」に通ず。
【荀子・正論篇】天子は勢至重く形至佚にして、心愈屈せず志も亦屈せず。
【注】愈、愉と読む。
按ずるに『広韻』『集韻』『韻会』はいずれも上声喩母に切れど、『正韻』独り疑母に切る。これ北方の音が疑母を喩母とし、故に喩母を疑母となすによる。しかるに平声においては再び喩母に切る。されば疑母に属せざることは明らかである。