康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 853 ページ)
【午集下】【禾部】移;康煕筆画:11;頁碼:853 頁 04 行
【唐韻】弋支切【集韻】【韻会】余支切【正韻】延知切、音匜。
【説文】禾の苗互いに倚り動きゆく様。
【六書故】秧苗を移植することを指す。凡そ稲を植うるには、先に苗を育てて後に之を移植す。
又【説文】一説に禾の名なりと。
又遷移を指す。
【韻会】今、遷徙の「迻」は「移」に借りて用う。
【書・多士】汝らを遐き地に遷す。
又【広韻】変じ、延ぶ。
【博雅】転ず。
【書・畢命】世道変じ風俗改まる。
【礼・大伝】親族の関係を絶てば移服の喪制なし。
【疏】傍らに在りて及ぶを「移」と謂う。意は延び転じて及ぶ能わざるをいう。
又【玉藻】趨るには発せんとするが如くすべし、然れども手足揺ぎ動かすことなかれ。
【疏】移は揺ぎ動くを指す。
又【広韻】遺落す。
【博雅】移、脱落して遺失す。
又官府・官署の間、相統属せずして文書を互通ずるに用いる、移文・箋表の類の文書を指す。
【前漢・公孫弘伝】公孫弘ここに病を称する文書を奉じて免職し郷里に帰らんことを請う。
【注】文書を奉じて病有りと称す。
【後漢・光武紀】ここに属官を招致して公文を作らしめ、諸県に移発す。
【注】文書を下属の県に移送す。
又姓なり。
【風俗通】漢に弘農太守移良あり。
又山名。
【水経注】沅水許山に発し、流れて熊溪に注ぐ。熊溪南に移山を環む。山本は水の北に在り、夜風雨有り、朝に至れば山水の南に移る、故に名づく。
又「施」に通ず。
【前漢・衛綰伝】剣なるものは人の以て貿易する所なり、豈に今に至るまで留まるべきや。
【如淳注】施、「移」と読む。意は剣は人の愛する所なれば、故に屡々交換して転手す。
又【集韻】【韻会】以豉切、音異。
【礼・郊特牲】以て民をして羨ましむ。
【注】移は羨むの義なり。
【疏】蜡祭には食物豊盛にして、皆酒足飯飽すれば、人をして羨ましく生ぜしむが故なり。
又【曹植・鷂雀賦】雀鷂の言を聞き、神情甚だ改まらず、目は裂けたる辣椒の如く瞠り、跳躍して両翼を拍つ。
【注】移、変ず。
又【集韻】敞尒切、音侈。
【礼・表記】衣服以て影響を広ぐ。
【注】移は水波荡漾の「移」と読む。意は広ぐなり。
又葉牛何切、音俄。
【楚辞・七諫】清冷冷として滅せられ、乱糟糟として日益に増す。悪鳥既に群を成し、白鶴翼を収めて退き隠る。