康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 80 ページ)
【巳集中】【爪部】為;頁碼:第 80 頁第 19 行;〔古文字形〕𦥮𤓸。『唐韻』薳支切、『集韻』于嬀切、音「潙」に同じ。『説文解字』に「母猴なり」とあり。この獣は爪を用いることを好む。字形の「爪」は母猴の形に象り、下半の「⺤」もまた母猴の形態なり。王育曰く、「爪は象形なり」と。また『爾雅・釈言』に「作・造、皆『為』の義なり」とあり。『尚書・益稷』に「予四方に力を致さんと欲す、汝これを行え」とあり。『洪範』に「謀あり、為あり、守あり」とあり。また「治む」の義を表す。『国語・晋語』に「病すでに治すべからず」とあり。〔注〕「為」はすなわち「治む」の義なり。また「使令す」の義を表す。『国語・魯語』に「これ後世をして前人の美名を顕揚せしむるためなり」とあり。〔注〕「為」は「使」のごとき義なり。また語気詞として用いる。『漢書・武帝紀』に「何ぞただ漠北の寒苦之地に逃匿せんや」とあり。また姓とする。『広韻』に『風俗通』載せて曰く、「漢に南郡太守為昆あり」と。『韻会』に「魯昭公の子公為の後裔なり」とあり。また『広韻』『集韻』『韻会』みな于偽切、音「䧦」に同じ。『広韻』に「助く」の義を表す。『増韻』に「原因・縁由・受身・維持・与付」などの義を表す。『尚書・咸有一徳』に「臣上に対しては徳政を助成し、下に対しては百姓を治む」とあり。『釈文』に「『上に為す』『下に為す』の『為』は于偽反に読む」とあり。徐邈曰く、「この四つの『為』字はみな于偽反に読む」と。また『多士』に「惟れ我下民のみこれを秉みて行う」とあり。『詩経・大雅』に「福禄来たりて助く」とあり。〔箋〕「為」は「助」のごとき義なり。『釈文』に「于偽反に読む、協韻のためには如字に読むべし」とあり。また葉音して吾何切、音「莪」に同じ。『詩経・王風』に「野兎逍遥たり、野鶏なお羅網に陥る。我が生まれる前に未だ此の事無く、我が生まれた後に諸々の憂患に遭う、願わくば長く眠りて動かざらん」とあり。