康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 563 ページ)
【辰集中】【木部】権;康煕筆画:22;頁 563【唐韻】巨員切【集韻】【韻会】【正韻】逵員切、音は拳。【玉篇】秤の錘。【前漢・律暦志】孔子が後世の君王に従うべき法則を陳述して「度量衡を謹んで一にすべし」と言う。多少を計るに圭撮を違えず、軽重を権るに黍絫を違わず。また権変を指す。【易・繋辞】巽卦は権変を施すに用いる。【註】権変とは、常理に反するがごとく見えて道義に合する所為なり。また平衡・衡量を指す。【礼記・王制】父子の親を推究し、君臣の義を立て、以て標準とし権りて処す。また権謀を指す。【左伝・宣公十二年】中軍は謀略を主り、後軍は精兵たり。【杜預註】中軍は謀略を制定し、精兵は殿後となす。また権柄を指す。【荘子・天運篇】権勢を重んずる者は権柄を他人に授けず。また【爾雅・釈詁】権輿は始めの意。【詩・秦風】嗚呼、当初(の盛況)を承ぐこと能わず。また暫く官職を代理することを「権」と称す。【鼠璞】「権」の字は唐代よりこのように用いられ始む。韓愈は国子博士を権じ、三年にして正官に転ず。また国名なり。また姓とも作す。【左伝・荘公十八年】楚の武王、権国を攻め占む。【韻会】楚の鬭緡、権邑の長となり、後人ここに権を氏とす。また「爟」に通ず。烽火を指す。【前漢・郊祀志】皇帝郊に宿り、通じて権火の燃ゆるを見る。また「顴」に通ず。頬骨を指す。【前漢・高帝紀・隆準註】頬上の顴骨と鼻梁。【曹植・洛神賦】酒窩は顴骨を承く。また【説文】権は黄花を開く樹なり。【爾雅・釈草】権、黄花を開く。【六書故云】草類をもって樹木を釈するのは、謬りなるべし。按ずるに、『爾雅』中の木槿は本ち樹なれども草部に列す。大概あまり拘泥すべからず。また【集韻】古玩切、音は貫。樹木叢生す。考証:【詩・秦風】「于嗟乎、承ぎて権輿とならず」。謹んで原文により「吁」を「于」に改め、「成」を「承」に改む。【後漢・郊祀志】「上郊に宿り、通じて権火を見る」。謹んで按ずるに、『後漢書』に郊祀志なし。「後漢」を「前漢」に改む。【爾雅・釈草】「権、黄英」。謹んで原文により「英」を「華」に改む。