康熙字典解説
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【酉集上】【言部】諸;康煕筆画 16、頁 1172。古文。『唐韻』『広韻』章魚切、『集韻』『類篇』『韻会』『正韻』専於切、渚平声。『説文』に「辯なり」とあり。『徐曰』に「別異の辞」とある。『爾雅・釈訓』に「諸諸、便便、辯なり」とあり。註に「皆言辞辯給なり」という。また『玉篇』に「一にあらず。皆言なり」とあり。『正韻』に「凡そ衆なり」とある。『書・舜典』に「歴に諸艱を試む」とあり。『詩・邶風』に「孌たる彼れ諸姫」とあり。『史記・賈誼伝』に「紛乱として諸事」とある。また『広雅』に「之なり、於なり」とあり。『穀梁伝・荘公二十四年』に「迎うる者は行きて諸を見、舎して諸を見る」。註に「諸、之なり」とある。『礼・射義』に「射は正しく己に諸を求む」。註に「諸、猶お於のごとし」とある。また『韻会』に「語助の辞」とあり。『詩・邶風』に「日居月諸」。疏に「居、諸、語助なり」とある。『公羊伝・桓公六年』に「其れ諸もって桓を病むか」。註に「其れ諸、辞なり」とある。また『韻会』に「有諸、疑いの辞」とあり。『孟子』に「文王の囿方七十里、之有るや諸」。また「于諸、寘すなり」。『公羊伝・哀公六年』に「乞使人して陽生を迎えしめ、其の家于諸す」。註に「斉人の語なり」とある。また諸侯は国君なり。『易・比卦』に「先王万国を建て、諸侯を親しむ」。また官名。『周礼・夏官』に諸子。註に「公卿大夫士の主たる子なり。或いは庶子と曰う」。また神名。『淮南子・地形訓』に「諸稽摂提は条風の生ずる所なり」。また「諸比は涼風の生ずる所なり」。註に「皆天神の名なり」とある。また因諸は斉の獄名。『公羊伝・昭公二十一年』に「宋の南里は何ぞ。曰く、因諸者然り」。註に「因諸者は、斉の故人の地なり」とある。また諸于は衣の名。『前漢・元后伝』に「政君独り絳縁の諸于を衣す」。師古註に「諸于は大掖衣、即ち袿衣の類なり」とある。また偏諸は衣の縁なり。『賈誼伝』に「之が為に繡衣絲履偏諸の縁を為す」。師古註に「今織成のごとく、要襻及び褾領を為すものなり」とある。また『韻会』に「方諸は鑑の名。月をもって明水を取る」。また『釈名』に「諸は儲なり。蔵して儲とし、冬月の用に給するを待つなり」。『礼・内則』に「桃諸・梅諸」。疏に「王粛云く、諸は菹なり。謂う桃菹・梅菹、即ち今の蔵桃・蔵梅なり」とある。また『周礼・天官・六飲疏』に「紀莒の間、諸を濫と名づく」。また草木の名。『爾雅・釈木』に「諸慮は山櫐」。註に「今江東は櫐を藤と呼び、葛に似て麤大なり」。『嵆含・南方草木状』に「諸蔗は一に甘蔗と曰い、交阯に生ずる者なり」。また獣の名。『山海経』に「単張山に獣有り、状豹のごとく、尾長く、人首牛耳一目、名づけて諸犍と曰う」。また「敖岸山に獣有り、状白鹿のごとく、四角、名づけて夫諸と曰う」。また虫の名。『爾雅・釈魚』に「蟾諸」。註に「蝦蟆に似て陸地に居り、淮南之を去蚥と謂う。一作詹諸、互いに詹字の註に詳し」。また山水の名。『山海経』に「諸余の山、諸余の水出ず」。また邑名。『春秋・荘公二十九年』に「諸及び防に城ぐ」。註に「諸・防は皆魯の邑なり」。『前漢・地理志』に「琅邪郡に諸県有り」。註に「春秋に諸及び鄆に城ぐる者なり」とある。また沢の名。『爾雅・釈地』に「宋に孟諸有り」。疏に「一に望諸と曰い、一に孟猪と曰う。互いに豕部の猪字の註に詳し」。また姓。『説苑』に「越の大夫諸発」。『唐書』に「兵部侍郎諸道」。また複姓。『漢書』に「諸葛豊有り」。『三国志』に「諸葛亮有り」。また『広韻』正奢切、『集韻』之奢切、音遮。亦た姓なり。『風俗通』に「漢に洛陽令諸于有り」。『何氏姓苑』に「呉人なり」とある。また『南唐書・妖賊伝』に「諸祐は蘄州独木の人」。註に「諸は音査」。『正字通』に「六麻に諸姓有り、音査」。按ずるに本は作す、譌って諸と作る。本は詐の上声、音査にして非なり。余は字の註に詳し。また『字彙』に常如切、音稌。「詹諸は蝦蟆なり」。『六書正譌』に「別に蟾蜍と作る、非なり」。考証:『賈誼・治安策』に「繡衣絲履偏諸の縁」。謹んで原書の『治安策』に照らして「伝」の字を改む。「繡」の字の上に原文に照らして「之が為に」の二字を増す。『爾雅・釈魚』に「蟾諸」。註に「蝦蟆に似て陸地に居り、淮南之を去蚊と謂う」。謹んで原文に照らして「去蚊」を「去蚥」に改む。