康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 713 ページ)
【巳集下】【犬部】猗;康熙筆画:12;頁碼:713 頁 20 行
『唐韻』は「於離切」、『集韻』『韻会』『正韻』は「於宜切」で、音は「漪」に同じ。
『説文解字』に「去勢した犬」とあり、字形は「犬」に従い、「奇」は声を表す。
また『玉篇』に感嘆詞とある。
『詩経・周頌』に「猗与漆沮」と見え、『箋注』に「猗与は美を讃える辞」とある。
また『商頌』に「猗与那与」、『国語・晋語』に「猗兮違兮」、『呂氏春秋』に塗山の女が歌って「侯人兮猗」とあり、これが南音の始まりとされる。
また『広韻』に「長」「倚る」の義がある。
『詩経・小雅』に「有実其猗」とあり、『伝』は「猗」を「長」と釈し、『箋注』は「倚る」と釈す。
また『詩経・衛風』に「緑竹猗猗」とあり、『伝』は「猗猗」を美しく繁茂する様とし、『班固・西都賦』にも「曄曄猗猗」と見える。
また『玉篇』に県名「猗氏」を指すとある。
『史記・貨殖列伝』に「猗頓は盬塩により起こる」とあり、『注』に「猗氏県にて富を成したるがゆえに猗頓と呼ぶ」とある。
また「漪」に通ず。
『詩経・魏風』に「河水清且漣猗」とあり、『釈文』に「或いは漪に作る」とある。
また「兮」に通ず。
『尚書・秦誓』に「断断猗无他伎」とあり、『疏』に「猗は句を足す辞にして実義なし」とあり、『礼記・大学』にこれを引きて「断断兮」と作る。これにより「猗」と「兮」は同類の辞なることが知られる。
また「欹」に通ず。
『詩経・斉風』に「猗嗟昌兮」とあり、『伝』に「猗嗟は感嘆の辞」とあり、『釈文』に「或いは欹に作る」とある。
また「依」に同じ。
『漢書・孔光伝』に「猗违者連歳」とある。
また『広韻』は「於綺切」、『集韻』『韻会』『正韻』は「隠綺切」で、音は「倚」に同じ。
『広韻』に「猗狔」は窈窕の義。
『集韻』に「猗狔」は柔弱の様。
また『詩経・衛風』に「寛兮綽兮、猗重較兮」とあり、『釈文』に「猗」は「於綺反」で、倚るの義。
また『詩経・豳風』に「猗彼女桑」とあり、『伝』に「枝を引き寄せて縛るを猗という」とあり、『釈文』は「於綺反」、徐邈は「於宜反」と読む。
また『詩経・小雅』に「楊園之道、猗于畝丘」とあり、『伝』は「猗」を「加うる」と釈す。
また『集韻』は「倚可切」、『正韻』は「烏可切」で、音は「妸」に同じ。
『集韻』に柔美の様とある。
『詩経・檜風』に「隰有萇楚、猗傩其枝」とあり、『伝』に「猗傩は柔順の様」とあり、『釈文』に「猗」は「於可反」、『集韻』に「或いは阿に作る」とある。
また『集韻』は「於義切」で、音は「輢」に同じ。互いに依附するの義。
『詩経・小雅』に「両驂不猗」とあり、『疏』に「互いに倚らず」と釈し、『釈文』に「猗」は「於害反」、また「於綺反」と読む。
また『韻会』は「於記切」で、音は「意」に同じ。義も同じ。
また葉韻は「於何反」で、音は「窩」に同じ。
『詩経・衛風』に「瞻彼淇奥、緑竹猗猗。有斐君子、如切如磋、如琢如磨」とある。