康熙字典解説
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【亥集下】【黽部】黿;康煕筆画:17;頁碼:1523 頁第 11 行。【唐韻】【集韻】【韻会】愚袁切、音元。【説文】大なる鼈。【三蒼解詁】鼈に似て、ただ大きし。【爾雅翼】黿は鼈の中にて最大なり、広きもの一両丈に至る。天地初開の時、介潭より先龍生じ、先龍より元黿生じ、元黿より霊亀生じ、霊亀より衆亀生ず。甲を持つ水族は皆衆亀より衍出す。これにより観れば、黿は甲殻水族の始祖にして、鼈を雌の配偶とし、黿鳴けば鼈応ず。【淮南子・説山訓】黿を焼きて鼈を招くは、同類相求の法なり。【埤雅】黿もまた蕃息を望む。その脂火に遇えば鉄を溶かす。【左伝・宣公四年】楚人、鄭の霊公に黿一頭を献ず。公子宋と子家、将に見えんとす。子公(公子宋)の食指おのずから動く。これを見て子家に示して曰く、「往日かくのごとくせば、必ず奇味を嘗うべし」と。入りて厨人がまさに黿を解体せんとするに、二人相見て笑う。霊公その故を問う。子家これを告ぐ。既に黿を大夫に賜いて食わしむるに、霊公子公を召すも与えず。子公怒り、指を鼎に入れて之を蘸し、味を嘗えて出ず。また、天黿は星次の名なり。【周語】周の武王、紂を伐つや、歳星天黿の次に在り。【註】歳星はすなわち木星なり。天黿は星次の名にして、玄枵ともいう。按ずるに、歳星は月に須女の宿にありて、天黿の次の始に潜むなり。『字彙』歳星を星次の名と為すは誤りなり。また蜥蜴を指す。【史記・周本紀】龍見えずして龍の涎沫なお匣中にあり、黒き黿と化して周の厲王の後宮に入る。【索隠曰】また「蚖」とも書き、すなわち蜥蜴なり。また【広韻】五丸切、【集韻】五官切、音岏。義同じ。また【韻補】虞雲切に叶い、音輑。【蘇軾・季氏潜珍閣銘】石山に憑りて庭閣を構え、江中の巨鼇と黿を跨ぎ、高き飛簷と鉄柱、清江の幽深なる水波の中に挿入す。