【巳集上】【水部】泰;康熙筆画:9;頁碼:618 頁 15 行。古文に夳と作る。『唐韻』『集韻』『韻会』『正韻』に他蓋切、音太とあり。『説文』に「滑らかに流る」とあり。また広大を指す。『前漢・郊祀歌』に「金光を揚げ、大河を横貫す」とあり。また通達を意味す。『易・泰卦』に「天地交はり、万物通泰す」とあり。また甚だしきを表す。『詩・小雅』に「上天太過に疎略なり」とあり。また寛裕・安寧を指す。『論語』に「君子は安泰にして驕らず」とあり。また奢侈を指す。『晋語』に「財富と尊寵に恃みて国内に奢侈す」とあり。また丘の名。『爾雅・釈丘』に「右の山陵を泰丘と曰う」とあり。また風の名。『爾雅・釈天』に「西風を泰風と謂う」とあり。注に「西風は作物を成熟せしめ、物産豊かにして安泰ならしむ」とあり。また山の名。『爾雅・釈山』に「泰山は東岳なり」。別に小泰山あり、朱虚県に在り、汶水の源出する所なり。また州の名。もと晋の海陵郡にして、今揚州府に属す。また泰安州あり、もと唐の泰州にして、済南府に属す。いずれも『広輿記』に見ゆ。また湖の名。『山海経』に「瀤沢の水、東北に流れ、泰沢に注ぐ」とあり。また社壇の祭名。『蔡邕・独断』に「天子の宗廟社稷を泰社と称す」とあり。また酒器の名。『礼・明堂位』に「泰は有虞氏の酒尊なり」とあり。また『韻補』に叶音他計切、音替とあり。『曹植・七啓』に「造化参合して神妙、霊性と契合す。恩恵百姓に遍く施され、威霊無辺之地に鎮す。殷周の太平の盛世を超え、伏羲に追随して同等の安泰に至る」とあり。『説文』にもまた太と略す。水に従う。俗に

と書くは非なり。考証:小泰山あり、朱虚県に在り、汶水これより発す。謹んで按ずるに、前に汶字の注に『水経』を引いて「汶水は朱虚県の泰山に出づ」と言う。酈道元の注に「汶水は県の東西峿山に出づ。山は小泰山の東に在り」とあり。これにより汝字を謹んで汶字に改む。