康熙字典解説
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【辰集上】【日部】春;康煕筆画:9;頁碼:493 頁 06 行
古文には「萅」または「旾」と書く。
【広韻】は「昌唇切」と音注する。
【集韻】【韻会】は「枢倫切」と音注し、読みは「蠢」の平声に似る。
【爾雅・釈天】に曰く、春を「青陽」という。
【注】に曰く、春気は清く和らぎて温かく陽に向かうゆえなり。
【周礼・春官・宗伯疏】に曰く、春は万物の萌生する時なり。
【公羊伝・隠公元年】に問う、春とは何ぞや。答えて曰く、歳之首なり。
【注】に曰く、春は天地開闢の始にして、養生の首たる時、自然の法則顕るるの始めなり。黄昏に北斗の柄東方を指せば、これを春と謂う。
【史記・天官書】に曰く、東方は木に属し、春を主る。
【前漢書・律暦志】に曰く、陽気万物を動かす、この時を春と謂う。春とは「蠢動」の義なり。万物蠢々として生じ発り、ここに動き運行を始める。
また、姓なり。
【何氏姓苑】に曰く、春申君黄歇の後裔なり。
また、酒の名なり。
【唐国史補】に曰く、名酒に郢の「富水春」、烏程の「若下春」、滎陽の「上窟春」、富平の「石東春」、剣南の「焼春」あり。
また、花の名なり。
【花木考】に曰く、罌粟の別種を「麗春」と名づく。
また、【集韻】に「尺尹切」と音注し、読みは「蠢」に似る。
【周礼・冬官考工記・梓人】に曰く、皮製の的を張りてその上に鵠を棲まえば、「春以功」とす。
【注】に曰く、ここにおける「春」の音義は「蠢」に同じ。蠢とは興起し発生するの義なり。