康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 84 ページ)
【子集上】【乙字部】乞;康煕筆画:3;頁碼:84 頁 03 行
『広韻』には「去訖切」と注音され、『集韻』『韻会』『正韻』には「欺訖切」と注音され、音は「気」に同じ。意味は請う、求めること。
『礼記・内則』に、五帝が三王に倣って臣民の進言を聴く作法があったと記される。
『史記・王翦伝』に「将軍かくのごとく賞賜を請うは、甚だ過ぐ」とある。
『後漢書・李通伝』に、病により上書して致仕を請うたと記される。
また『釈典』に、「比丘」を漢語で「乞士」と称し、内には仏法を求めて心を養い、外には食物を乞いて身を維持する意味であるとある。
また姓あり。五代に乞力という将軍あり。
また複姓に「乞伏」あり。
さらに『集韻』に「丘既切」と注音され、『正韻』に「去冀切」と注音され、音は「器」に同じ。人に物を与えることもまた「乞」と称す。
『前漢書・朱買臣伝』に「吏卒更た之を乞匃す」とあり、注にここにおける「乞」の音は「気」なりと説く。
『晋書・謝安伝』に、謝安が甥の羊曇に向かい「我が別墅を汝に与う」と言う。
鄭樵の『通志』に曰く、「気」は息吹の「気」なり。音同じきを以て、人に与うる義に借用し、音は「気」なり。また与うるの義あるを以て、さらに人より求むるの義に借用す。これ仮借を重ねて仮借するなり。