康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 358 ページ)
【寅集下】【弓部】弭;康煕筆画:9;頁碼:358 頁 07 行。古文。【唐韻】綿婢切。【集韻】【韻会】母婢切。【正韻】莫礼切。音は敉に同じ。【説文】弭とは、縁(ふち)なき弓にして、轡の乱れを解くべきものなり。【爾雅・釈器】縁あるを弓と曰ひ、縁なきを弭と曰ふ。【注】すなはち今の角弓なり。【疏】李巡曰く、両端を骨にて飾れるを弓と曰ひ、両端を骨にて飾らざるを弭と曰ふ。孫炎曰く、縁とは糸を巻き漆を塗れるを謂ひ、弭とは糸を巻かずまた両端を骨にて飾らざるものを謂ふ。【釈名】弓の末を弭と曰ふ。骨をもって作り、滑らかなる様なり。【詩・小雅】象弭、魚服。【伝】象弭とは、弓の末の反り曲れる部分なり。【疏】弭は弓の梢の名にして、象牙をもって作る。弓の末なり。弛むれば反り曲がる。故に象弭を弓の末の反り曲れる部分と曰ふ。また【広韻】息むの義。【玉篇】止むの義。【左伝・襄公二十五年】今より戦ふこと、やや息まんとす。また【玉篇】忘るるの義。【詩・小雅】心の憂ひ、消え忘れ難し。【箋】我が思ふ憂ひ、忘れ難し。また【玉篇】安んずるの義。【史記・田完世家】国を治め民を安んずるは、五音に如くはなし。また【玉篇】除くの義。【後漢書・趙壹伝】下に在りては当世を高談闊論し、時の災を除く。また按ずるの義、抑るの義。【屈原・離騒】我、羲和に命じて節を押さしむ。【注】弭は按ずるの義なり。【司馬相如・子虚賦】節を抑へて徘徊す。【注】司馬彪曰く、弭は抑るがごとし。また地名。【左伝・荘公二十一年】春、弭に会して盟す。【注】弭は鄭の地なり。また【釈名】弭を受けると曰ふ。弭弭とは、双方意を通ずるの言なり。考証:【釈文】弓をまた弭と曰ふ。謹みて原文に従ひ、「又」を「末」に改む。