康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1149 ページ)
【酉集上】【言部】記;康煕筆画:10;頁碼:1149 頁 02 行
【唐韻】【集韻】【韻会】音は居吏切、冀に同じ。
【説文解字】疏と釈す。すなわち条別に記録するなり。
【徐曰】逐一に分別して記録するを謂う。
【博雅】識と釈す。すなわち記憶するなり。
【釈名】紀と釈す。すなわち記載するなり。
【玉篇】録と釈す。すなわち記録するなり。
【広韻】志と釈す。すなわち事を記すなり。
【書・益稷】「挞以記之」とあり。
【伝】其の過ちを記憶せしむるなりと説く。
【礼・王制】太史は礼を掌りて記を持つとあり。
【注】国に礼事あるときは、予め簡策を持って、行うべき礼を記載すと説く。
【唐書・于志寧伝】左に言を記す史あり、右に事を記す官ありと説く。
【関尹子・五鑑篇】かつて遊んだ所に再び至れば、記憶なお明らかなりと説く。
また【博雅】書と釈す。すなわち文書なり。
【前漢・蕭望之伝】待詔の鄭朋が蕭望之に奏記を上ったとあり。
【注】記とは文書なり。奏記の形式は鄭朋に始まると説く。
【文心雕龍】後漢より公府に奏記あり。記とは心を述べ、己が意見を献ずるなりと説く。
また【正字通】公文・文書を指す。
【後漢・鍾離意伝】若い時に郡督郵となり、当時管轄の県の亭長が他人から酒食の贈り物を受けたため、郡府は文書を下して査辦を命じた。鍾離意は文書を封じて返還し、太守は彼を賢徳としたとあり。
また官名を指す。
【後漢・百官志】記室令史あり。主に表章を上奏し、文書に答復することを掌るとあり。
また「其」に通ず。
【字彙補】助詞なりと説く。
【詩・王風】「彼其之子」とあり。
【箋】「其」は時に「記」に作り、時に「己」に作る。音相似たりと説く。
また葉音は苟起切、几に同じ。
【崔琰・述初賦】高密を望みて急ぎ行き、衡門に至りて止まる。子遊・子夏のごとき高士を見て、宏大な謀略の篇章の記載を聴くと書く。一説に元は「紀」に作り、「紀」は「止」と韻を協うも、誤って「記」に作れりともいう。