康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 605 ページ)
【巳集上】【水部】汗;康煕筆画:7;頁碼:605 頁 11 行
『広韻』『集韻』『韻会』は侯旰切、『正韻』は侯干切で、音は「翰」に同じ。
『説文解字』に、人体より分泌する液と釈す。
『関尹子・八籌篇』に、心悲しめば目に涙あり、心愧じれば身に汗ありと記す。
『本草綱目』に李時珍曰く、汗は心に主られ、在っては血となり、出でては汗となる。故に大いに汗すれば血を傷り、血を失えば則ち汗出すべからずと。
『易経・渙卦』に「渙汗其大号」の句あり。
『史記・蘇秦列伝』に、人多く揮洒する汗の雨降るが如しと形容す。
『前漢書・劉向伝』に、政令を発するは汗を出すに如しと云う。汗は既に出づれば復た収むべからず。政令発して復た収むるは、流れたる汗をして体内に返らしむるが如しと。
『文心雕龍』に、其れ発すること紼を引くが如く、収むべからざるは流れたる汗の如しと形容す。
また「泮汗」は、水勢浩瀚無辺なる様を形容す。
『左思・呉都賦』に「潰渱泮汗」の句あり。
また「澔汗」は、文采光輝閃耀せる様を形容す。
『司馬相如・上林賦』に「采色澔汗」の句あり。
また「瀾汗」は、綿長浩大なる様を形容す。
『木華・海賦』に「洪涛瀾汗」の句あり。
また「汗汗」は、水面広闊無辺なる様を形容す。
『郭璞・江賦』に「汗汗沺沺」の句あり。
また「質汗」あり、薬名なり。
また『唐韻』は胡安切、『集韻』『韻会』『正韻』は河干切で、音は「寒」に同じ。
「可汗」は、少数民族の首長を称する語なり。音は「克韓」に如し。
また「番汗」あり、漢代の県名なり。音は「盤寒」にして、遼東郡に隷す。
また『唐韻』は古寒切、『集韻』は居寒切で、音は「干」に同じ。
「余汗」は県名なり。
『前漢書・地理志』に、豫章郡に属すと記す。
『応劭注』に、此処の「汗」の音は「干」なりと云う。
また『韻補』に、葉音は彤甸切にて、音は「莧」に同じ。
『蘇轍・夏夜詩』に曰く、老人の気微弱にして糸の如く、枕席にも亦汗流る。帷を褰げて終に眠る能わず、夜の気清らかして白練の如し。