康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 845 ページ)
【午集下】【示部】福;康煕筆画:14;頁碼:845 頁 02 行。古文に畗と作る。『唐韻』『集韻』『韻会』に方六切、膚の入声。祐なり、休なり、善なり、祥なり。『礼記・祭統』に「福とは備なり」とあり。『易経・謙卦』に「鬼神は盈つるを害し、謙なるを福す」とあり。『書経・洪範』に「五福を用いて向く」とあり。また『釈名』に「福は富なり。その中に多品あること富のごとし」とあり。また祭祀の胙肉を福と曰う。『周礼・天官・膳夫』に「祭祀の致福する者は、これを受けて膳に供す」とあり。『穀梁伝・僖公十年』に「祠して君に福を致す」とあり。また福は猶お同のごとし。『張衡・西京賦』に「仰いで帝居に福し、陽は曜き陰は蔵る」とあり。薛注に「今の長安宮は、上に五帝の居する太微宮と同じく、陽の時則ち見え、陰の時則ち蔵る。法を同じくするなり」と言う。また州名。秦の閩中郡にして閩州を立て、唐に福州と改む。また姓。元の忠臣に福寿あり。また『集韻』『韻会』に敷救切、音副。蔵るなり。『史記・亀策伝』に「邦福して重亀」とあり。注に徐広の読みとす。また葉して筆力切、音偪。『詩経・大雅』に「自ら多福を求める」、『儀礼・士冠礼』に「介爾景福」、倶に上の徳字に葉す。『正字通』に「福は本より偪音有り。『説文』は示に従い畐の声す。賈誼の治安策に『疏なる者あるいは大権を制して以て天子を福す』とあり。乃ち偪を訛って福と為すべし、福と偪と通ずるに非ず」。諸韻書誤って福・偪同音共義と為し、一に合す。蓋し毛詩・儀礼及び安世房中歌・班固の明堂詩を詳らかにせず、福皆偪を読み、偪と義相通ぜざるを知らざるなり。『韻会』職韻の逼字の注に「通じて福と作す」と云う。『字彙』に「福は逼と同じ」とす、尤も非なり。考証:『唐韻』『集韻』『韻会』に方六切、膚の平声とす。謹んで按ずるに、福は入声の字なり、平を入に改むべし。