康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 756 ページ)
【午集上】【用部】甫;康熙筆画:7;頁碼:756 頁 02 行。【唐韻】方矩切。【集韻】【韻会】匪父切。【正韻】斐古切。音は斧。【説文】男子の美称なり。【礼記・檀弓】諸侯に臨み鬼神に畛すに曰く、「某天王某甫」と。【疏】某は天子の字、甫は男子の美称なり。【儀礼・士冠礼】永くこれを受けて保つべしと曰ひ、「伯某甫・仲・叔・季」、唯その当る所に随ふ。【注】甫は丈夫の美称なり。孔子は尼甫と為り、周の大夫に嘉甫あり、宋の大夫に孔甫あり。【雑記疏】甫は且(いま)なり。五十にして伯仲とするは是れ正字、二十の時を某甫と曰ふは是れ且字なり。言ふらく、且つ之が為に字を立てると。又【爾雅・釈詁】甫は大なり。【詩・小雅】倬たる彼れ甫田。伝に曰く、甫田は天下の田を謂ふ。箋に曰く、甫の言は丈夫なり。明らかに彼れ太古の時、丈夫を以て田に税すと。又【玉篇】始なり。又【広韻】衆なり。【博雅】甫甫、衆なり。【詩・大雅】鮒鱮甫甫。又【爾雅・釈詁】甫は我なり。又国名。【詩・大雅】維れ申及び甫、維れ周の翰なり。箋に曰く、甫は侯なり。又地名。【詩・小雅】東に甫草有り、駕して行き狩を行ふ。箋に曰く、甫草とは甫田の草なり。鄭に圃田有り、今開封府中牟県の西にある圃田沢是れなり。【春秋・定公十年】冬、斉侯・衛侯・鄭の游速、安甫に会す。【穀梁伝・昭公二十三年】呉、頓・胡・沈・蔡・許の師を鶏甫に敗る。【注】鶏甫は楚地なり。又山名。【詩・魯頌】徂来の松、新甫の柏。伝に曰く、新甫は山なり。又章甫は冠名なり。【礼記・郊特牲】章甫は殷の道なり。又姓。【風俗通】甫侯の後、周の甫瑕・明甫轍・甫軹。又皇甫は復姓なり。宋の戴公の子を皇父と曰ひ、因りて族に命じて皇父と曰ふ。秦に至りて改めて皇甫と為す。又【集韻】彼五切、音は補。菜を種うるを圃と曰ひ、或いは省みて甫と作す。考証:【釈文】甫の言は大なり。謹んで按ずるに、釈文の「甫の言は大なり」は即ち鄭の箋なり。別本既に鄭箋を引けるが故に、別に引くべからず。謹みて「伝に曰く、甫田は天下の田を謂ふ」と改む。