康熙字典解説
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【申集中】【虫部】蜚。康煕筆画:14。頁碼:頁 1085 第 31。『集韻』『韻会』に「父沸切、音は屝」とある。『爾雅・釈虫』に「蜚は蠦蜰なり」とあり、疏に「蜚は越地に生ずる虫にして、その気臭悪しく、南方の湿熱の気に由りて生ず」という。『本草』に「蜚は毒ある虫なり」といえり。されば蜚は臭悪しき虫にして人の衣を損ずるがゆえに、『春秋左氏伝』に蜚虫現れて災いなさざれば記さずとある。また『前漢・五行志』に劉向いわく、「蜚虫現れて災いといわざるは、これ気の生ずるところなればなり」として、まさにこの謂いを指すという。また『正韻』に「芳未切、音は費」とあり、虫名にしてすなわち負蠜なり。また『広韻』に「府尾切、音は斐」とあり、義同じ。また獣名なり。『山海経』に「太山に獣あり、形牛に似て頭白く、目一つ、尾蛇のごとし。名づけて蜚と曰う。その過ぐる所みな枯れ、毒は鸩鳥よりも甚だし。一たび現るれば天下大いに疫す」という。また『集韻』に「匪微切、音は非」とあり、「飛」に通ず。『史記・周本紀』に「麋鹿牧に在り、飛鳥(蜚鴻)野に満つ」とあり。『楚世家』に「三年飛ばず、一飛びせば天に衝くらん」とあり。ある本には「飛」と作る。