康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 679 ページ)
【巳集中】【火部】蛍。康煕筆画:14。頁碼:679 頁上段 21 行。『唐韻』戸扃切。『集韻』懸扃切。『韻会』互扃切。音「蛍」に同じ。『説文解字』に曰く、室中の灯燭の光を指す。字形は「焱」と「冖」とより成る。『前漢書・班固叙伝』に「幽室の蛍々たる燭を守る」とあり。注に師古曰く、「蛍々とは微かなる燭光をいう」。また『玉篇』に「蛍々は灼灼たるがごとし」とあり。『広韻』に光り輝くを指す。『史記・趙世家』に「美人光彩照人なり、顔容は凌霄花のごとく鮮やか」とあり。杜牧『阿房宮賦』に「明星熒熒として光を発す」とあり。また熒惑あり、星宿の名なり。『史記・天官書』に「剛猛の気を観て熒惑の位を定む」とあり。また「営」とも書く。また『荘子・人間世』に「しかも眼将に之に惑わされんとす」とあり。注に「人を眩まし暈めしむ」という。また熒陽あり、県名なり。『左伝・宣公十二年』に「熒沢に至り、六麋を見る」とあり。注に「熒沢は熒陽県の東に在り」という。また『水経注』に火山あり。火のごとく地中より湧き出づるを熒台と名づく。また草の名あり。『爾雅・釈草』に「熒・委・萎」とあり。注に「薬草の一なり」という。また「蛍」の字と通ず。『爾雅・釈虫』に「蛍火即ち炤なり」とあり。『後漢書・霊帝紀』に「蛍光を逐って数里を行く」とあり。また『集韻』乎萌切。音「宏」に同じ。火光を指す。また維傾切。音「営」に同じ。義同じ。また『集韻』『類篇』翾営切。音「○」に同じ(原典欠字)。『集韻』に本字は「滎」に作る。河名なり。また『集韻』烏迥切。音「濙」に同じ。「瑩」と同じ。聴瑩とは疑惑して解せざるをいう。『荘子・斉物論』に「是れ黄帝も亦た疑惑して解せざるところなり」とあり。また『五音集韻』烏絅切。音「鎣」に同じ。火光のさまを形容す。また『集韻』胡鎣切。音「濙」の去声と同じ。暫く明るきさまを指す。考証:『後漢書・霊帝紀』「遂蛍光行数里」。謹んで原文の「遂」を「逐」に改む。