康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 252 ページ)
【丑集下】【大字部】奚;康煕筆画:10;頁碼:252 頁 10 行。【広韻】胡鶏切、【集韻】【韻会】【正韻】弦鶏切、音は「兮」に同じ。奴僕・使役を指す。【周礼・天官】に「酒人奚三百人」とあり。【註】に「奚は今の官婢に相当す」と説く。「傒」とも書く。【唐書・李賀伝】に「李賀に小児の奴あり、古錦の嚢を負ひ、詩句を思ふところあれば、即ち之を嚢に投ず」と記す。また地名なり。【春秋・桓公十七年】に「斉師と奚に戦ふ」とあり。【註】に「魯の地なり」と説く。また山名なり。大奚山は広州に在り、仏堂門の海より三百里、潮汐相通ず。【南粵志】に見える。また騊駼驒奚は駿馬の名なり。【前漢・匈奴伝】に「騊駼驒奚」と見え。【註】に「驒は顚と読み、生れて七日にして其の母よりも疾く走る」と説く。また羊奚は草の名なり。【本草綱目】に「羊奚は石筍子に似たり」という。また疑問を表す詞なり。【論語】に「子奚た政を為さざるや」、【孟子】に「奚た去らざるや」とある。また姓なり。夏の車正(官名)奚仲、北魏の奚牧など。【説文解字】に「奚は大腹の義、大に従ひ、声を省く」と釈す。【正字通】は「『説文』専ら大腹と釈するは非なり」と論ずる。