康熙字典解説
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【酉集上】【見部】規;康熙筆画 11;頁 1133。『唐韻』居追切、『集韻』『韻会』均窺切、『正韻』居爲切、音は「キ」。『説文』に「法度有り」とあり。『玉篇』に「円を正すの器なり」とあり。『礼記・経解』に「規矩誠に設ければ、方円をもって欺くべからず」とあり。『前漢書・律暦志』に「衡運規を生じ、規円矩を生ず」とあり。『荘子・馬蹄篇』に「円なるものは規に中り、方なるものは矩に中る」とあり。『淮南子・時則訓』に「規は万物を円ならしむる所以なり」とあり。また人を法もって正むるを規と曰う。『尚書・徴』に「官師相規す」とあり。伝に「規、正なり」とあり。『詩経・衛風・淇奥序』に「武公能く其の規諫を聴く」とあり。疏に「円を正して規もって度に従わしむるは、猶君を正して礼もって人を徳せしむるがごとし、故に之を規諫と謂う」とあり。また規は求計なり。『左伝・昭公二十六年』に「規求度無し」とあり。また違法を規避し、方を以て円と為すなり。『正字通』に唐書を引きて「影徭賦を規す」とあり。また謀度なり。『礼記・儒行』に「其の規爲かくの如き者有り」とあり。疏に「但自ずから所為の事を規度して行う」とあり。『戦国策』に「斉に天下の規無し」とあり。註に「規は猶謀のごとし、斉を謀る者無きを謂う」とあり。後漢書に凡そ謀は皆規と作る。また画すなり。『周語』に「成公の生まるや、其の母神の其の臀に墨をもって規するを夢む」とあり。また日月の円なるを規と曰う。謝霊運『遊南亭詩』に「密林余清を含み、遠峰半規を影す」とあり。註に「日峰の外に落つれば、其の半を隠すなり」とあり。韓愈『翫月詩』に「前夕十五と雖も、月長じて未だ規に満たず」とあり。『文苑英華・海日初出賦』に「赫赫として光満ち、規規として質円なり」とあり。また規田あり。『礼記・王制・百畝之分疏』に「偃豬之地、九夫を規と為し、四規して一井に当る」とあり。また官名あり。『金史・百官志』に「規措官、正七品、民田の灌漑を掌る」とあり。また魚名あり。沈括『補筆談』に「浙東の人河豚を規魚と呼ぶ。また海中に生ずる者有り、腹上に刺有り、海規吹肚魚と名づく」とあり。また鳥名あり。『埤雅』に「杜鵑、一名子規。或は鳺巂と作る」とあり。また規矩は獣名なり。詳しくは矩字の註を見るべし。また姓あり。明の規恂、弘治中に教授、夏邑の人なり。また『韻会小補』に恵圭切、音は「ケイ」。車輪一周を一規と為す。通じて巂と作る。『礼記・曲礼』に「立てて五巂を視る」とあり。註に「巂、猶規のごとし。輪転の度を謂う」とあり。『音釈』に「巂、本又規と作る」とあり。また『集韻』に規恚切、去声。規規は驚視して自ら失う貌なり。『荘子・秋水篇』に「規規然として自ら失う」とあり。また『集韻』に呼役切、音は「ケキ」。本は瞁と作る。驚視の貌なり。また『音学五書』に居何切、古音は歌。『淮南子・主術訓』に「若し缺一字を欲して之を規せば、乃ち是れ之を離すなり」とあり。揚雄『法言』に「蕭何・曹参を問うに、曰く、蕭は規、曹は随なり」とあり。『説文』に夫より見に従う。『字統』に「丈夫識用必ず規矩に合す、故に字夫に従う」とあり。『正字通』に按ずるに夫に因りて解を立つるは未だ詳ならず、考うるに矩の矢に従うがごとし。当作るべきは〈某字〉なり。古文は槼と作る。また『字彙補』に音は吸。字辨に驚視を訓ず、規と異なる。『字彙総略』に規字の音を吸とし、字を規矩の規と為すは非なりと録して備考に載す。