康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 518 ページ)
【辰集上】【木部】柏;康煕筆画:9;頁碼:518 頁 22 行
『唐韻』『集韻』『韻会』『正韻』に「博陌切」、音「百」に同じ。
『説文解字』に「椈なり」(樹木の一種)とある。
『六書精蘊』に曰く、柏は陰に属する木なり。凡そ木は皆陽に属すれども、柏の枝葉は陰に向ひ西を指す。およそ木の中にて堅貞の徳を具へたる者なるがゆゑに、字形「白」に従ふ。「白」は西方の正色を表す。
また『春秋緯』に、諸侯の墓旁に柏を植うと記す。
『前漢書・東方朔伝』に、柏は鬼神の聚まる庭なりと云ふ。
また「大」の義あり。「伯」と通ず。
『釈名』に、柏車とはすなはち大車なりと云ふ。
また「逼迫」の義あり。「迫」と同じ。
『周礼・春官』に、その柏席は萑を以て織り、白黒の斧形の紋を縁どると記す。
『鄭玄注』に、柏席は地に鋪く席なりと釈す。
『史記・漢高祖本紀』に、「柏人」とは人に逼迫せらるるの地なりと云ふ。
『漢書・武帝瓠子歌』に、魚悶々として冬日に迫ると詠ず。
また国名なり。河南西平県に在り。
また山名なり。
『尚書・禹貢』に、淮水を導きて桐柏山より始むと記す。
また『前漢書・武帝紀』に、柏梁台を造ると記す。
また姓なり。
『姓譜』に、戦国に柏直あり、漢に柏英ありと記す。
また葉音「卜各切」、音「搏」に同じ。
『楚辞・九歌』に、山の人杜若のごとく芳しく、石泉を飲みて松柏の下に涼をとると詠ず。
また葉音「壁益切」、音「必」に同じ。
『陶潜・経銭渓詩』に、田園終日夢み、いづくんぞ久しく離別せん。ついに帰舟の志を抱き、誠に霜を経たる柏のごとくすべしと詠ず。
字形は「木」に従ひ、「白」声なり。俗体「栢」と書くは誤りなり。