康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 376 ページ)
【卯集上】【心部】忘;康煕筆画:7;頁碼:376 頁 24 行。『集韻』『韻会』武方切、『正韻』无方切、音は亡。『説文』に「識らざるなり」とあり。『増韻』に「忽(ゆるが)すなり」、また「遺(わす)るなり」とある。『書経・微子之命』に「予、乃が徳を嘉(よみ)し、曰く篤(あつ)く忘れず」とあり、これは遺さざるを謂う。また『儀礼・士冠礼』に「寿考(じゅこう)忘れず」とあり、注に「長く令名(れいめい)有り、忽(にわか)にして遽(すみや)かに尽くることなし」とある。また善忘は病なり。『荘子・達生篇』に「気下りて上らずんば、則ち人をして善忘せしむ」とある。また坐忘とは思慮なきなり。『荘子・大宗師』に「回(かい)、坐忘す」とある。また『広韻』『正韻』巫放切、『集韻』『韻会』无放切、音は妄。『韻会』に「棄忘なり」とあり。『増韻』に「遺忘なり」とある。『周礼・地官・司刺』に「三宥(さんゆう)、一に曰く遺忘」とある。また志在らざるなり。『左伝・隠公七年』に「鄭伯盟い、歃血(けっぷ)すること忘るるが如し」とあり、注に「志、歃血に在らざるなり」とある。また韓愈『竇司直に別れるの詩』に「盤中に橙栗を進め、脯醤(ほしょう)を投擲して傾く。歓窮まりて悲心生じ、婉恋(えんれん)として忘るべからず」とある。『説文』に「心に従い亡に従う。会意」とある。