康熙字典解説
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【寅集中】【山部】岐;康熙画数:7;頁碼:308 頁 24 行
古文献に曰く。『広韻』巨支切、『集韻』『韻会』翹移切、『正韻』渠宜切、音は「跂」に同じ。『説文解字』に「山の名なり」とあり。後稷の十三世の孫、古公亶父、初め此処に居す。『詩経・大雅』に「西の水涯に沿ひ、岐山の下に至る」とあり。『一統志』に「この山二支に分かるるを以て名づく」とあり。『六書故』に「一山は今鳳翔府岐山県に在り。『禹貢』に岍山と岐山を導くと云ふは、即ち此れを指す」とあり。また『山海経』に「岐山は狐岐山にして、今の汾州介休県に在り。勝水ここより発し、東北して汾河に入る。『禹貢』に梁山と岐山を治むと云ふは、即ち此れを指す」とあり。
また州の名なり。もと雍州の地にして、後に秦の都となり、漢は扶風郡、元魏は岐州を置き、唐は鳳翔府と改め、西京と称す。
また岐路を指す。『釈名』に「物二分に分るるを岐と曰ひ、辺に在るを旁と曰ふ」とあり。『爾雅・釈宮』に「道二つに分るるを岐旁と曰ふ」とあり。注に「道旁より分岐するを指す」とあり。『列子・説符篇』に「羊を失ひし者曰く、岐路の中にまた岐路あり、何所にか往くべきを知らず、故に反る」とあり。
また高峻を指す。『詩経・大雅』に「克く岐しく克く嶷たり」とあり。朱伝に「岐嶷は高峻茂盛の貌なり」とあり。
また姓なり。『正字通』に「黄帝の臣岐伯、唐の岐霊岳」とあり。按ずるに、『集韻』翹移切、音は「祁」、周の文王の封ぜられし地なり。また常支切、音は「坻」、山の名なり。また渠羈切、音は「奇」、地名なり。また章移切、音は「支」、分るるの義なり。諸家の注音互いに矛盾す。今之に従わず。『集韻』に本字は「𡵚」に作る。『韻会』に時に「歧」と作る。