康熙字典解説
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【午集下】【禸部】離;康熙画数:19;頁碼:848 頁 07 行
古文【広韻】丑知切【集韻】【正韻】抽知切、音は摛に同じ。魑に同じ。
また【韻会】隣知切。離に同じ。明なり、麗なり。易の卦名。
また散ずるなり、違うるなり。【晋書・宣帝紀】司馬公は屍居して余気あり、形神既に離る。亦た離に同じ。
離【唐韻】呂支切【集韻】【韻会】隣知切、音は驪なり。【説文】黄倉庚なり、鳴けば蚕生ず。隹に従い離声。【玉篇】亦た鶈と作る。【広韻】今鶈を用いて鶈黄とし、離を借りて別離と為す。【集韻】或いは鵹と作る。
また卦名なり。【易・離卦】彖に曰く、離は麗なり。【玉篇】離は明なり。
また【玉篇】散ずるなり。【広韻】近きを離と曰い、遠きを別と曰う。【揚子・方言】参蠡は分つなり。秦晋これを離と曰う。【易・乾卦】進退恒なく、群を離るに非ず。【王風を待つ】女仳離あり。
また【玉篇】遇うなり。【揚子・方言】羅を離と謂う。【易・小過】飛鳥これに離る。【前漢・揚雄伝・反離騒注】応劭曰く、離は猶お遭うがごとし。
また【詩・小雅】里を離れず。【疏】離は歴なり。
また【玉篇】両なり。【礼・曲礼】坐を離れ立を離る。【注】離は両なり。両相麗するを離と謂う。
また【玉篇】判ずるなり。【礼・学記】一年にして経を離れ志を弁ずるを視る。【注】経を離るは、句読を断絶するなり。【周礼・夏官・形方氏】華離の地あることなし。【注】華はと読み、之を正して邪離絶せしむべからず。
また【礼・明堂位】叔の離磬。【注】離は、其の声を次序して懸くるを謂う。【疏】叔の作れる編離の磬なり。
また【儀礼・大射礼】中維綱に離る。【注】離は猶お過ぐるがごとく、猟るなり。
また【玉篇】なり。【左伝・昭元年】衛を設け服を離る。【注】離はなり。
また【爾雅・釈親】男子妹の子を出と謂い、出の子を離孫と謂う。
また【荀子・非相篇】離離たり。【注】離離は、親しまず事とする貌なり。
また【爾雅・釈詁】覭髳茀離なり。【注】草木の蒙茸翳荟なるを謂う。茀離即ち弥離なり、弥離は猶お蒙茸がごとし。
また【屈原・離騒】余が佩の陸離を長ず。【注】陸離は猶お嵯峨のごとく、衆貌なり。許慎云く、美好の貌なり。師古云く、分散なり。
また【前漢・郊祀歌】流離を辟く。【注】流離は、其の所を得ざる者なり。
また【司馬相如・大人賦】滂濞泱軋、麗にして林離たり。【注】林離は撡攦なり。【揚雄・羽猟賦】淋離廓落たり。
また【司馬相如・大林賦】前に長離あり後に矞皇あり。【注】服虔曰く、皆神名なり。師古曰く、長離は霊鳥なり。按ずるに前漢礼楽志には長麗と作る。注に云く、星名なり。【張衡・思賦】前に長離をして羽を払わしむ。【注】長離は南方朱雀の神なり。
また【爾雅・釈楽】大琴を離と謂う。【疏】音変多く、声流離なり。
また【前漢・西域伝】罽賓璧流離を出す。【注】師古曰く、魏略に云く、大秦國赤白黒黄青緑縹紺紅紫の十種の流離を出す。
また馬の名なり。【李斯・諫逐客書】繊離の馬に乗ず。
また鳥の名なり。【詩・邶風】流離の子。【伝】流離は鳥なり。按ずるに爾雅釈鳥の注に留離と作る。
また草の名なり。【屈原・離騒】江離と辟芷とを扈ぐ。【注】離は蘼蕪なり。
また【司馬相如・子虚賦】蘗離朱楊。【注】離は山梨なり。
また【埤雅】韓詩に曰く、芍薬は離草なり。将に離れんとして、相贈るに芍薬を以てす。一名可離。
また木の名なり。【史記・孔子世家注】『皇覧』に曰く、塋中の樹、柞枌雒離。
また水の名なり。【前漢・武帝紀】零陵より出でて離水を下る。
また地名なり。【左伝・成十五年】呉に鍾離に会す。【注】鍾離は楚の邑、淮南県なり。
また国名なり。【前漢・西域伝】東離国は大国なり。【拾遺記】泥離の国来朝す。
また【広韻】姓なり。孟子の弟子離婁。
また【集韻】抽知切、音は痴なり。本は螭と作る。虫部の螭字の注に詳し。
また【集韻】輦尒切、音は逦なり。離跂は臂を攘ける貌なり。
また【司馬相如・上林賦】離靡広衍たり。【注】離靡は相连りて絶えざるを謂う。離は音力爾反。
また【広韻】【集韻】【韻会】力智切、音は荔なり。【広韻】去るなり。【書・胤征】官を畔り次を離る。【釈文】離は字の如く、また力智反。【礼・曲礼】鸚鵡言う能くして、飛鳥を離れず。
また荔と同じ。【司馬相如・上林賦】答遝離支。【注】晋灼曰く、離支は鶏子のごとく大きく、皮粗く、皮を剥げば肌鶏子のごとく、中黄なり、味甘く酢少なし。師古、音力智反。
また【広韻】【集韻】【韻会】郎計切、音は麗なり。【礼・月令】天に司り日月星辰の行、宿離貸さず。【注】離は俪偶の俪の如く読む、宿俪は其の属を謂う。馮相氏保章氏は天文を掌る者、相与に宿偶し、当に審らかに伺うべし、過差すべからず。【釈文】離は呂計反。偶なり。
また葉音黎。【卓文君・白頭吟】凄凄として復た凄凄たり、女を嫁するに啼くを須いず。一心の人を得て、白頭にも相離れざらんことを願う。
また葉良何切、音は羅なり。【韓愈・裴少府墓銘】支分かれ族離れ、各々大家と為る。家は音歌。
離考証:【曲礼】坐を離れ立を離る。【注】離は両なり。両相麗するを立と謂う。謹んで按ずるに注に此文なし。今陳氏の集説の方氏の注を引く据りて、両相麗するを離と謂うと改む。【揚雄・校猟賦】淋離廓落たり。謹んで文選校猟賦に照らして羽猟賦と改む。【司馬相如・上林賦】前に長離あり後に矞皇あり。謹んで漢書上林賦に照らして大林賦と改む。