康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 532 ページ)
【辰集中】【木部】棘;康熙筆画 12;頁碼 532 頁下段 20。【唐韻】【集韻】【韻会】紀力切、音殛。【説文】小棗の叢生する者。【詩詁】棘は棗に似て刺多く、木質堅く、色赤く、叢生す。人々常にこれをもって籬とする。年久しくして刺なければ、棗樹のごとく高大に生長すべし。木質白きものを白棘といい、実酸きものを樲棘といい、また酸棗という。【詩・邶風】「彼れ棘の心を吹く」。【疏】棘は樹木の中にて育て難き者なり。また【爾雅・釈木】に「終牛棘」とあり。【注】すなわち馬棘にして、刺粗く長し。また囚人を禁ずる所を叢棘という。【易・坎卦】「縄索を用いて之を縛り、叢棘の中に置く」。【左伝・哀公八年】「邾子道なし。呉子これを楼台に囚へ、棘木をもって囲む」。また九棘とは外朝を指す。【礼記・王制】「史、獄成を正に告ぐ。正これを経理す。正、獄成を大司寇に告ぐ。大司寇、棘木の下にこれを聴く」。【注】左の九棘は孤・卿・大夫の位なり。右の九棘は公・侯・伯・子・男の位なり。また戟と通ず。【礼記・明堂位】「越棘、大弓」。天子の兵器なり。【左伝・隠公十一年】「潁考叔、車軛を挟みて走る。子都、戟を抜きてこれを逐う」。【周礼・天官・掌舎】「棘門」。注に「戟をもって門と為す」とある。また地名なり。垂棘・赤棘は春秋の時晋国の地なり。また薬名なり。【本草】「天門冬、また天棘という」。また棘扈は鳥名なり。【賈逵云】「棘扈、窃丹。果実のために鳥を駆る者なり」。また僰と通ず。【礼記・王制】「四夷、西を僰という」。また姓なり。【論語】に「棘子成」とあり。また【唐韻】居里切、音紀。また【広韻】居吏切、音記。義同じ。考証:【詩・鄘風】「彼れ棘の心を吹く」。謹んで原書に照らし鄘風を邶風に改む。【周礼・天官・掌舎】「戟門また棘と称す」。謹んで原文に照らし「棘門」を「戟をもって門と為す」と改む。