基本情報
発音
KAN,AMAI UMAI AMANJIRU
五行
木
吉凶
吉
命名の意味
康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 753 ページ)
【午集上】【甘字部】甘;康煕筆画:5;頁碼:753 頁 19 行
古代音韻:『唐韻』は古三切、『集韻』『韻会』『正韻』は沽三切、音は感の平声。『説文解字』によれば「美」を意味する。『徐鉉説』では味覚的に甘美なものを指す。『韻会』には五味の一とあり、『正韻』には「甜(あま)し」とある。『尚書・洪範』に「稼穡(かしょく)は甘を作す」と見え、『伝』は「甘は穀物より生ず」と釈す。『詩経・衛風』に「誰謂荼苦、其甘如薺」とあり、『礼記・月令』には「中央は土に属し、その味は甘」と記される。また、言葉が耳に快いさまをも指し、これも「甘」と称する。『左伝・昭公十一年』に「幣重而言甘」とあり、また『詩経・衛風』に「願言思伯、甘心首疾」と見える。『伝』は「甘は満足なり」と釈し、『疏』は「思念やまずして心に満足を得、ゆえに頭痛を発す。およそ人の飲食、味が甘美なれば満足に至る。故に甘とは満足なりと言う」という。また『左伝・荘公九年』に「管仲・召忽は讎なり。請いて受けて甘心せしむべし」とあり、『注』は「甘心とは、快くこれを殺さんと欲するなり」と釈す。また『易経・臨卦』六三の爻に「甘臨、利なし」とあり、『注』は「甘とは花言巧語をもって諂うことで、不正の辞なり」とする。また『玉篇』には「楽(たの)し」の義あり。『淮南子・繆称訓』に「人の甘甘なるは、必ずしも盗跖たらんとするにあらず」と見え、『注』は「人の甘甘とは、楽んでこれを行なうがごとし」と釈す。また『淮南子・道応訓』に「急なれば苦にして受け難く、緩なれば疎にして固からず」とあり、『注』は「甘は弛緩の義なり」とする。また姓なり。『尚書・説命』に「予小子旧学于甘盤」と見え、『注』は「甘盤は殷の賢臣なり」とし、また甘茂・甘羅は秦の人なり。また『抱朴子・弁問巻』に「子韋・甘均は卜筮の聖人なり」とある。また漢代の複姓に甘荘・甘土・甘先の三氏あり。また地名なり。『尚書・甘誓』に「大战于甘」と見え、『伝』は「甘は有扈氏の都の郊外の地名なり」と釈す。『左伝・僖公二十四年』に「初め甘昭公は恵后に寵せられ」とあり、『注』は「甘昭公は王子帯にして、封地在りて甘と曰う」とする。また『左伝・昭公十七年』に「陸渾の子楚に奔り、その衆甘鹿に逃ぐ」と見え、『注』は「甘鹿は周の地名なり」とする。また山名なり。『山海経・中山経』に「薄山の首山を甘棗山と曰う」とあり。また水名なり。『山海経』に「鹿蹄山、甘水ここに出ず」と見え、『注』は「『水経』によれば、甘水は南山の甘谷より出づ」とする。また州名なり。『五音集韻』に「北魏、西涼州を改めて甘州とす」とあり。また『前漢書・郊祀志』に「武帝、甘泉宮を造る」と見える。また樹木の名なり。『詩経・召南』に「蔽芾甘棠」とあり、『伝』は「甘棠は杜梨なり」とし、『疏』は「郭璞曰く、即ち今の杜梨なり」と釈す。『山海経』に「不死の国あり、民は阿姓、甘木を食す」と見え、『注』は「甘木は不死の樹なり」とする。また『正韻』に果実の名としてあり、俗に「柑」と書く。『風土記』に「柑橘の類、味甘甜にして鮮美なり」とあり。また『古今注』に「形状石榴に似て味甘き実を壺甘と曰う」と見える。また草の名なり。『博雅』に「陵沢は甘遂なり」「美丹は甘草なり」とあり。また『集韻』に古暗切、音紺、土の味を指す。また『集韻』『韻会』『正韻』に胡甘切、音酣、『尚書・五子之歌』に「甘酒嗜音」と見え、また「酣」に通じて熟睡を意味す。『荘子・徐無鬼』に「甘寝」とあり。按ずるに、『正韻』に別に戸甘切を立てれども、胡・戸は声母同じくして分列すべきにあらず。