康熙字典解説
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【午集上】【瓦部】甄;康熙画数 14、頁碼 750 第 23。【唐韻】居延切、【集韻】【韻会】稽延切、音は籈(しん)。【説文】に「陶なり」とあり。【前漢・董仲舒伝】に「上の下を化すも、下の上に従うも、猶お泥の鈞(ろくろ)に在るが如く、惟だ甄(せん)する者の為す所に在り」とある。注に師古曰く、「甄とは瓦を作る人なり」。【後漢・班固伝】に「虞を孕み夏を育み、殷を甄じ周を陶す」とあり。また「化す」の義あり。【左思・魏都賦】に「化の甄ずる所、国風の禀くる所」とあり。注に「甄は成すなり。宮殿の制侈泰ならず、国俗これを程式と奉ずるを言う」とある。【何晏・景福殿賦】に「国風を甄陶す」とあり。注に李曰く、「埏埴して器を為すを甄陶と曰い、王者もまた其の民を甄陶す」とある。また【博雅】に「甄は地なり」とあり。また【広韻】に「察す」とあり。【抱朴子・正郭巻】に「草莱に於いて無名の士を甄ず」とある。また【広韻】に「一に曰く免ず」とあり。また【増韻】に「表す」とあり。【潘岳・西征賦】に「大義を甄じて責を明らかにす」とあり。注に宋均曰く、「甄は表すなり」とある。また【増韻】に「明なり」とあり。【後漢・光武紀】に「霊貺自ら甄ず」とあり。注に「甄は明なり」とある。【謝瞻・張子房詩】に「聖心豈に徒らに甄ぜんや、惟だ徳の忘るる無きに在り」とある。また【集韻】に「また姓なり」とあり。【留・風俗伝】に「舜河浜に陶し、後に氏と為る」とあり。【前漢・趙充国辛慶忌伝】に「甄豊・甄邯を用いて以て自ら助く」とある。また地名なり。【張悛呉令と為り謝詢に諸孫の為めに守冢人を置くことを求むる表】に「董卓を陽人に破り、神器を甄井に済す」とあり。【釈文】に「甄、音は堅し」とあり。注に「呉書曰く、初め堅洛に入り軍を城南に屯し、甄官井の上に毎旦五色の気有り。堅人をして浚探せしめ、漢の伝国璽を得たり」とある。また陣名なり。【左伝・文公十年・宋公道楚予田孟諸】の注に「将に猟せんとし、両甄を張り、故に二左司马を置く。両甄は猶お両翼のごとし」とあり。【世説新語】に「桓元猟を好む。双甄の指す所、林壑を避せず」とあり。【晋書・周鮌伝】に「賊杜曽を楊口に撃ち、李桓に命じて左甄を督せしむ。梁裴遂り、寿楊の戦いに四甄を為して之を待つ」とある。また「甄甄」は鳥飛ぶ貌なり。【楚辞・九思】に「鹿蹊兮、貒貉兮蟫蟫、鸇鷂兮軒軒、鶉兮甄甄」とある。また諡法なり。【汲塚周書】に「丑心動惧を甄と曰う」とあり。また【広韻】側鄰切、【集韻】【韻会】【正韻】之人切、音は真(しん)。義同じ。【韻会】毛氏曰く、「甄陶の字は真・仙の二韻通じて押す」。【荘季裕・鶏肋篇】に「甄徹の字独り進士に登る時に見ゆ。林攄枢密と為り、当に唱名して堅の音を読むべし。上これを真の音と為す。攄弁じて遜らず、坐して貶せらる。呉志に、孫堅洛に入り軍を城南に屯し、甄宮井の上に旦に五色の気有り。人をして井に入り探らせて伝国璽を得しむ。甄と己が名の音叶うを以て、受命の符と為す。則ち三国以前未だ人の切の音有らざるなり。孫権即位し堅を尊んで帝と為す。江左の諸儒呉の為めに諱みて、故に音を真に改む」とある。【孫奕・示児編】に「甄に二音有り。学者皆甄字を押して先韻に在らしむ。独り真韻は反って未だ嘗て押さず。此れ皆相承久しく、耳を信じて目を信ぜざるの過ちなり。【文選】張華【女史箴】に云く、【気を散じ形を流す。既に陶し既に甄ず。帝包羲に在り、肇めて天人を経す】。則ち已に真韻に入れ押せり。按ずるに【女史箴】は三国以後に在り。孫氏未だ詳らかに考ぜず。此前甄に真の音無きなり」とある。また【博雅】に「堗の下を甄と謂う」とあり。【釈文】に「甄、只賓反」とある。また【博雅】に「甄は磚なり」とあり。【釈文】に「音は真」とある。また【集韻】諸延切、音は饘(せん)。察す、勉む。また【広韻】苦掾切、音は券(けん)。視る。また【集韻】規掾切、音は絹(けん)。鄄と同じ。衛の地。今斉陰の鄄城或いは甄と作る。【史記・斉太公世家】に「七年、諸侯桓公と甄に会す」とあり。杜預曰く、「甄は衛の地。今の東郡甄城なり」とある。また【田敬仲・完世家】に「昔日趙甄を攻む。子救う能わず」とあり。注に正義曰く、「甄、音は絹。即ち濮州甄城県北なり」とある。また【集韻】【韻会】【正韻】之刃切、音は震(しん)。【集韻】に「鐘の病声」とあり。【周礼・春官・典同】に「薄声甄ず」とあり。注に「甄は甄耀の甄と読む。甄は猶お掉るがごとし」とあり。【釈文】に「音は震」とある。また【字彙】古奚切、音は稽(けい)。【春秋・命歴叙】に「神農四海を甄じ、白阜山川に脈す」とあり。白阜は人名なり。仏経の甄明の甄もまた音は稽なり。考証:呉志に「孫堅洛に入り軍を城南に屯し、甄宮井の上に旦に五色の気有り」とある。謹んで呉志孫堅伝注の原文に照らし、甄宮を甄官に改む。【文選】張華【女箴】に云く、「気を散じ形を流す。既に陶し既に甄ず。帝句義に在り、肇めて天人を経す」とある。按ずるに【女箴】は三国以後に在り。謹んで原文に照らし【女史箴】と作る。此の注両処に【女箴】を引くに中に史字を増入す。「帝句義に在り」は原文に照らし「帝庖犠に在り」に改む。