康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 82 ページ)
【子集上】【丿部】之;康煕筆画:4;頁碼:82 頁 04 行。古文。【唐韻】【正韻】止而切、【集韻】【韻会】真而切、音は枝。【説文】出ずるなり。草の屮を過ぎて枝茎いよいよ大きくなり、ある所へ往くさまに象る。一は地なり。【玉篇】是なり、適なり、往くなり。【礼記・檀弓】延陵季子曰く、「気若しければ、則ち之かざる所なし」と。また「于」なり。【礼記・大学】その親愛する所に之いて辟す。【注】之、適なり。【朱伝】猶お于のごとし。また語助の辞。【尚書・金縢】礼も亦た之に宜し。【礼記・文王世子】秋冬も亦た之のごとし。【正字通】凡そ之の字、句中にあり、あるいは語尾にあり、あるいは層出して用いる。毛詩「我之懐矣」「共武之服」、および「女曰鶏鳴」の章に「知子之来たる」の六句に九つの之の字あり、「常華」の章に「左之左之」の六句に八つの之の字あり、以て例推すべし。また此れなり。【詩経・周南】之子于帰す。【注】之子は是の子なり。また変ずるなり。【易伝】辞とは、各々その之く所を指す。【孫奕・示児編】之の字を変と訓ず。左伝に「観之否に遇う」とあり、観が否に変ずるを言うなり。また至るなり。【詩経・鄘風】死に至るまで矢じて他なきべし。また遺すなり。【揚子・法言】或る人孔子に問いて曰く、「其道の用いられざることを知る。則ち載せて悪乎ぞ之かん」と。曰く、「后世の君子に之く」と。【注】行道の者は身に及ぶを貴ぶ、乃ち載せて后世に遺すなり。また姓なり。【姓苑】に出ず。また【郝敬・読書通】凡そ言之と言うは、物指す所あり、事属する所あり、地往く所有り、連属の辞なり。旃に通ず。【詩経・唐風】旃を舎て旃を舎て。また【魏風】上に慎め旃かな。之と同じ。至に通ず。彼へ往くを之と曰い、此に至るを至と曰う、音義互通ず。また【韻補】職流切に叶い、音は周。【楚辞・九章】呂望朝歌に屠り、寧戚歌って牛を飯す。堯舜と桓繆に逢わざれば、世誰か云って之を知るや。上に牛、下に求に叶う。【周伯琦曰く】古人は物に因りて字を制す。之は本は芝草、乎は本は吁気、焉は本は鸢なり。后人借りて助語と為す。助語の用い既にして多ければ、反って奪われるところとなり、また字を制して之を別つ。乃ち芝の字、吁の字、鸢の字有り。考証:【礼記・文王世子】冬も亦た之のごとし。謹んで原文に照らして「秋冬も亦た之のごとし」に改む。