康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 566 ページ)
【辰集下】【欠部】歟;康煕筆画 18;頁 566。『広韻』に「以諸切」、『集韻』『韻会』に「羊諸切」、音は余。『説文』に「気を安んずるなり」。徐曰く、「気緩やかにして安なるなり」。俗に語末の辞と為す。『班固・明堂詩』に「猗歟緝熙、允懷多福」。『王粲・登楼賦』に「昔尼父の陳に在りしや、帰歟の歎音有り」。経伝に通じて與に作る。『礼記・祭義註』に「與とは、執定せざるの辞なり」。また『広韻』に「余呂切」、『集韻』『韻会』に「演女切」、音は與。また『広韻』『集韻』『韻会』に「羊茹切」、音は豫。義同じ。『正字通』に「歟に羽・豫の二音無し」。『字彙』にまた音羽、また音豫、義同じとす。知らず、羽は與の本音にして、即ち賜與の與なり。豫は與の転音にして、即ち『魯論』「吾其れ與に之を聞く」の與なり。與の字平声に転じ、借りて歟と作す。義は歟に通ず。混じて上声・去声の二声を借りて同じく與と為さば、則ち通じ難し。按ずるに、此の言誠に是なり。諸韻書相沿うこと日久しきが故に、両存す。『説文』に或いは欤と書く。