康熙字典解説
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【午集上】【瓦部】瓦;康煕筆画:5;ページ:747 第 36
『唐韻』『集韻』『正韻』に「五寡切」とあり、音は「邷」に同じ。
『説文解字』に曰く、土を焼いて作る器の総称なり。
『広韻』に『古史考』を引いて曰く、夏の世に昆吾氏が瓦を発明せり。
『史記・亀策伝』に曰く、夏桀瓦屋を造れり。
【注】『世本』に曰く、昆吾陶を作れり。張華『博物記』にも曰く、夏桀瓦を作れり。おそらく昆吾が夏桀のために作れるなるべし。
『史記・廉頗伝』に曰く、秦軍武安において鼓を打ち喊声を上げて練兵す。屋上の瓦ことごとく震動せり。
『正字通』に曰く、後世の瓦の作りは古制に如かず。其の種類一にあらず。『漢武故事』に曰く、神屋を造るに銅をもって瓦とし、外に漆を塗れり。又『呉国伝』に曰く、大秦国の王宮水晶をもって瓦とす。又『明皇雑録』に曰く、虢国夫人一時恩寵極めて盛んにして、韋嗣立の宅を強奪し己が居を広げたり。後に宅また韋氏に帰す。大風吹きて屋を折り、瓦堂上に落ちたるも損ぜず。仔細に見るに、その瓦みな堅木をもって作るなり。又『王縉伝』に曰く、五台山の祠廟銅をもって瓦を鋳じ、更に金を塗れり。
『詩経・小雅』に「載弄之瓦」の句あり。
【伝】に解説して曰く、瓦とは紡錘を指す。
『儀礼・燕礼』に曰く、君の尊(酒器)は「瓦大」にして、凡そ二つあり。
【注】「大」の音「泰」に同じ。「瓦大」は有虞氏の用いし尊なり。
『左伝・昭公二十六年』に曰く、矢楯の脊を射たり。
【注】瓦とは楯の中央隆起せる部分を指す。
又「瓦合」という語あり。
『礼記・儒行』に「毀方而瓦合」との説あり。
【注】呂氏解説して曰く、陶工瓦を作るに、必ず先ず円形を作りて之を分割す。分ければ即ち瓦なり、合すれば依然として円なれども、瓦本来の質を失わず。
又「瓦解」という語あり。
『史記・匈奴伝』に曰く、彼ら困窮敗北するや、まさに瓦砕け雲散ずるが如し。
又人名と為す。
『左伝・昭公二十三年』に曰く、楚の囊瓦令尹たり。
【注】囊瓦は子囊の孫の子常なり。
又地名と為す。
『春秋・隠公八年』に曰く、宋公・斉侯・衛侯瓦屋に会盟す。
【注】瓦屋は周の地名なり。
又『定公八年』に曰く、魯の定公瓦地にて晋軍と会師す。
【注】瓦は衛の地名なり。
『後漢書・郡国志』に曰く、東郡に瓦亭という地あり。
又『広韻』に「五化切」とあり、『集韻』に「吾化切」とあり、音は「迓」に同じ。
『広韻』に解説して曰く、泥をもって屋根を塗るなり。
『集韻』に解説して曰く、瓦を屋根に敷くなり。
又『集韻』『韻会』に「五委切」とあり、音は「頠」に同じ。屋根を砌むる磚瓦を指す。
『荘子・駢拇篇』に「駢於辯者、累瓦結竄句」との句あり。
【注】「瓦」の字、音は「五委反」。此处には当に「丸」の字と為すべきなり。
又『韻補』に叶音して「阮古切」と読み、音「五」に同じ。
『韓愈・元和聖徳詩』に句あり:皇帝勤倹にして、洗漱陶瓦を用ゆ。浮華を棄て、粗布細麻を好む。