康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 441 ページ)
【卯集中】【手部】提;康煕筆画:13;頁碼:441 頁 22 行
【唐韻】【正韻】杜奚切【集韻】【韻会】田黎切、音題。
【説文】挈ぐなり。
【詩・大雅】面に命ずる匪ず、言いて其の耳を提ぐ。
【礼記・曲礼】凡そ奉ずる者は心に当り、提ぐる者は帯に当る。
【疏】臂を屈して帯に当て、而して其の物を提挈す。
又挙ぐなり。
【周礼・夏官・田僕】凡そ田するに、王馬を提げて走る。
【前漢書・刑法志】一同百里、提封万井。
【注】提封とは、大いに其の封疆を挙ぐることなり。
又鼓の名なり。
【周礼・夏官・大司馬】師帥提を執る。
【注】馬上の鼓にして、曲木有りて鼓を提持し馬の髦上に立てる者、故に之を提と謂う。
又摂提、星名なり。
【史記・天官書】大角の両旁に各三星有り。鼎足之を句みて摂提と曰う。直に斗杓の指す所に在り、以って時節を建つ。
【注】摂提之言は提携なり。斗を提げ角を携えて、以って下に接するなり。
又挟提、箸の名なり。
【礼記・曲礼】羹に菜有る者は梜を用う。
【注】今人或いは箸を梜提と謂う。
又提提、安諦なり。媞と同じ。
【詩・魏風】好人提提たり。
【疏】行歩安舒にして審諦なるなり。
又菩提、梵語なり。猶お華言の正道のごときなり。
又浮屠の居る所を招提と曰う。梵言に拓鬬提奢と云い、華言に四方生物なり。後魏伽藍を創立して、拓提境と為す。俗に拓を訛めて招と為す。
【杜甫の詩】已に招提より遊ぶに、更に招提の境に宿す。
又偏提、酒を酌む壺なり。
【拾遺記】唐の元和の間は之を注子と謂い、後に仇士良其名の鄭注と同じきを悪み、乃ち柄を去りて系を安じ、名付けて偏提と曰う。
又【集韻】市之切【正韻】辰之切、音時。朱提、県名なり。
【前漢書・食貨志】朱提の銀、重さ八両を一流と為す。
【注】朱提県は犍為に属し、善銀を出す。北方の人之を提と曰う。
又【唐韻】是支切【集韻】【韻会】常支切、音匙。鳥群聚する貌なり。
【詩・小雅】弁ず彼れ鸒斯、帰り飛ぶこと提提たり。
【集韻】或いはに作る。
又【唐韻】都礼切【集韻】【韻会】典礼切、音底。絶つなり。
【礼記・少儀】牛羊の肺、離れて心を提げず。
【注】刲り離して中央の少き者を絶たず、祭るに易く絶たしむるのみ。
又擲つなり。
【戦国策】侍医の夏无且、其の奉ずる所の薬囊を以って荊軻を提ぐ。
【史記・絳侯世家】太后冒絮を以って文帝を提ぐ。
【索隠】服虔は提の音を弟とす。蕭該は音を底とす。蕭の音は得るべし。
又【集韻】【韻会】【正韻】大計切、音第。上の史記の注に見ゆ。
又【漢書・音義】同じ。
考証:【史記・絳侯世家】太后冒絮を以って文帝を提ぐ。
【注】徐広・服虔は提の音を弟とす。謹んで原文に照らし、注の「徐広」の三字を改めて「索隠」と為す。