康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 668 ページ)
【巳集上】【火部】炮;康煕筆画:9;頁碼:668 頁下段 25 行。【唐韻】薄交切。【集韻】【韻会】【正韻】蒲交切。音は「庖」に同じ。「炰」と同字。【説文解字】に「毛を附けたまま肉を炙る」と釈す。【広韻】に別に「物を包んで焼く」という説あり。【詩経・小雅】に「之を炮し、之を燔す」と見え、【伝】に「毛を附けて炙るを炮と曰い、直ちに火に炙るを燔と曰う」と注す。【疏】に「ここは庶人の礼を述ぶるものなれば、当に毛を附けたまま包んで炙るべし」と釈す。【礼記・内則】に「豚若しくは将を取りて炮す」と見え、【注】に「炮の名は、泥を以て塗裹して焼く法に由る」と釈す。【礼記・礼運】に「以て炮し、以て燔す」と見え、【注】に「即ち包んで(炙る)なり」と釈す。【周礼・地官・封人】に「毛を炮するの豚」と見え、【注】に「先ず湯にて猪の毛を除き、次いで包んで炙る。これ八珍を備うるためなり」と釈す。これらの注・疏に拠れば、毛を附けるといえども去るといえども、総じてこれを炮と称す。『広韻』は専ら「毛を附けたまま物を炙る」の一義のみを釈して、その義未だ遍からず。また【周礼・春官・大祝】に九祭あり、其三を炮祭と曰う。【注】に「炮祭とは、薪を焚く祭なり」と釈す。さらに【周礼・秋官・壷涿氏】に其職は水中の毒虫を除くことを掌り、「炮土の鼓」を以て之を駆逐すと見え、【注】に「炮土の鼓とは瓦鼓なり」と釈す。また此の字は「庖」に通ず。【前漢書・律暦志】に「炮犠氏の天下に王たるや」と見え、【師古注】に「炮の字は庖と同じ」という。また【集韻】に披教切とあり、音は「砲」に読み、義は灼焼す。【斉民要術】の蒸煮法に「胡炮肉」を見え、【注】に「炮の字は普教反に読む」という。また古韻には葉音して蒲侯切と読むべし。【詩経・小雅】に「兎斯首有り、之を燔し之を炮す。君子酒有り、酌みて之を酬う」という句あり。考証:【斉民要術】の蒸煮法に「胡炮肉」を見え、【注】に「炮の字は著教反に読む」とある。今謹んで原文に従い、「著教反」を「普教反」に改む。