康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 254 ページ)
【丑集下】【女部】奴;康煕筆画:5;ページ番号:254 頁 26 行
古文【広韻】乃都切【集韻】【韻会】【正韻】農都切、音は孥。【説文】に「奴婢は、古の罪人なり」とある。【周礼・秋官・司厲】に「男子は罪隷に入り、女子は舂槀に入る。凡そ爵ある者、七十なる者、未だ齔せざる者は、皆奴とならず」とある。【前漢・衛青伝】に「人の奴として生るるや、笞罵せられざること足れり、いずくんぞ封侯を望まんや」とある。
また地名。雍奴は漢の県にして漁陽郡に属す。建武二年、恂を封じて雍奴侯とす。【後漢書】に見ゆ。
また沢の名。四面に水あるを雍と曰い、流れざるを奴と曰う。【水経注】に見ゆ。
また姓。廬奴の後なり。【統譜】に見ゆ。
また念奴は官妓の名。【元稹・連昌宮詞】に「力士伝呼して念奴を覓む」とある。
また梵語に索迦といい、華言にて奴という。
また飛奴は鴿(はと)なり。張九齡家に群鴿を養ひ、毎に親知に書を与ふるごとに、鴿の尾に繋ぎ、教ふるところに従ひて之を投ず。
また燭奴は燭台なり。申王檀木を以て童子を刻み画燭を執らしめ、名づけて燭奴と曰う。【天宝遺事】に見ゆ。
また酪奴は茗(茶)に奴たるものなり。斉の王粛食物を品題するに、惟酪のみ中らずして茗に奴たりき。【洛陽伽藍記】に見ゆ。
また木奴は柑橘の号なり。【杜甫詩】に「方た楚客郷樹を憐むに同じく、荊州の木奴を利するを学ばず」とある。【玉堂閑話】に見ゆ。
また竹奴、青奴は世に所謂竹夫人にして、臂を憩し膝を休むる所なり。【黄庭堅集】に見ゆ。
また錫奴は足を温むる瓶なり。茘枝奴は龍眼なり。狸奴は獺なり。【玉堂閑話】に見ゆ。
また【類篇】に奴故切、音は砮。亦た賤称なり。