康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 454 ページ)
【卯集中】【手部】撓;康煕筆画:16;頁 454。『唐韻』奴巧切、『集韻』『韻会』『正韻』女巧切、鐃の上声。『説文』に「擾なり」とあり。『釈名』に「物繁なれば相雑えて撓す」とある。『左伝・成公十三年』に「我が同盟を撓乱す」と見え、注に「乃卯反」、あるいは摎に作る。また『説文』に「一に曰く捄なり」とある。また『集韻』『韻会』『正韻』に尼交切、音は鐃。抓るなり、搔ぐなり、亦た擾すなり。また屈むなり。『孟子』に「膚撓せず」とあり、趙岐の注に「平声を読む」といい、あるいは に作る。また『集韻』『韻会』『正韻』に女敎切、音は鬧。義同じ。『左伝・成公二年』に「君が震うを畏れ、師徒撓敗す」とあり。『史記・酷吏伝』に「愛する所あれば、法を撓めて之を生かす」とあり。『前漢書・劉向伝』に「衆枉を撓めず」とある。また『唐韻』に呼毛切、『集韻』『韻会』『正韻』に呼高切、音は蒿。攪ぐなり。『前漢書・鼂錯伝』に「匈奴の衆は撓乱し易し」とあり、注に「火高反、其の字は手に従う」という。また『集韻』『韻会』『正韻』に爾紹切、音は繞。亦た屈むなり。揉と同じ。また『集韻』『韻会』に人要切、饒の去声。纏うなり。繞と同じ。『史記・太史公自序』に「名家は苛察にして繳繞す」とあり、あるいは撓に作る。また『集韻』に馨幺切、音は嘵。撓挑は宛転なり。『正字通』に「撓と橈とは、手に従い木に従い、古へ互通ず。鐃は金に従い、音同じくして義異なり」とある。考証:『前漢書・劉向伝』の「守正不撓」について、原文を謹んで照査すれば、「独処して正を守る」を一句とし、「衆枉を撓めず」を一句とする。これに据りて「不撓衆枉」に改む。