康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 805 ページ)
【午集中】【目部】眠;康煕筆画:10;頁碼:805 頁 04 行。古代文献の記載:『唐韻』に莫賢切と注音され、『集韻』『韻会』に民堅切と注音され、『正韻』に莫堅切と注音される。音は「麫」の平声に似る。『説文解字』には目を閉じると釈す。『釈名』には泯滅の意とし、無知無覚の状態を指すという。『玉篇』には寝ることを釈す。『後漢書・第五倫伝』に「終夜眠らず」とあり、『三国志・趙雲伝』に「劉備、趙雲と同床して眠り休む」とある。『列子・周穆王篇』に、「西方の極遠なる古莽の国には、食せず衣せずして多く眠り、五十日にして一度覚む。東方の極遠なる阜落の国には、常に覚めて眠らず」という。また、草木の倒伏するものも亦た眠と称す。『三輔故事』に、「漢の宮苑に柳あり、形人のごとくにして、一日に三度倒れ三度起き立つ」という。また、鳥獣の伏して休息するものも皆た眠と称す。杜甫の詩に「沙洲の小鴨、母鴨に依りて眠る」とある。また『宋史・礼志』に、「諸王妃を聘るに、眠羊・臥鹿等の物あり」という。また「芊眠」は茂密なるさまを形容す。陸機『文賦』に「清新秀麗にして繁盛なり」とあり、注に「文采の豊富にして茂密なるさまを指す」という。また色深く暗きさまを指し、一説には遠望して昏晦不明なるを指すともいう。張衡『南都賦』に「青幽にして昏暗なり」とあり、注に「林木多くして色彩幽暗にして明らかならざるを形容す」という。「瞑」は「芊眠」と意同じ。互いに関連字の注に見ゆ。また姓なり。『姓苑』に見えたり。また『集韻』に弥殄切と注音され、音は「麫」の上声に似る。揚雄『方言』に、「楚の郢都の辺りは欺き瞞すを眠娗と謂う」とあり、一説には柔弱にして能なしとす。また『列子・力命篇』に「眠娗諈諉」とあり、注に「眠娗は通ぜずして事理を明らめざるさまを指す」、一説には言語をもって互いに譏り嘲弄するとす。また『集韻』に眠見切と注音され、音は「麫」なり。『類篇』に横たわりて休息すと釈す。また『博雅』に「眠眩」は昏乱を指す。揚雄『方言』に、「薬を服し又は外敷して中毒するを、東斉・海岱の辺りは眠と謂い、或いは眩と謂う」とある。また『韻会』に時に「泯」と作る。『史記・司馬相如・大人賦』に「視ること昏花にして模糊とし、何も見えざり」とあり、『前漢書』には「眩泯」と作る。師古曰く、「目は適わずして視物清明ならず」という。また『集韻』に弥尽切と注音され、音は「泯」なり。見るを意とす。『説文解字』によれば、本字は「瞑」と作り、「目」に従い「冥」に従う。会意字なり。