康熙字典解説
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【戌集中】【隹部】雒。康煕筆画 14、頁碼 1367 第 11。『唐韻』盧各切、『集韻』『韻会』『正韻』歴各切。音は「洛」に同じ。『説文』には鵒鳥を指す。字形は「隹」に従い、「各」は声旁なり。『釈名』に「雅とは雒なり。事難しく、人まさに為さんとすれば雒(おそ)る。すなわち畏れ懼れる貌なり」とあり。また馬の名を指す。『詩・魯頌』に「駵馬有り、雒馬有り」。伝に「黒き身に白き鬣なるを雒と曰う」とあり。『釈文』に「雒の音は洛。本は駱と作る」とあり。また水名を指す。『周礼・夏官・職方氏』に「豫州、其川は滎水と雒水とあり」とあり。また国名を指す。『左伝・僖公二十一年』に「伊・雒の戎」とあり。『春秋・文公八年』に「公子遂、雒戎と暴に盟す」とあり。また県名を指す。『前漢書・地理志』に「弘農郡に上雒県あり」とあり。按ずるに、『左伝・僖公二十一年』の注疏に曰く、「雒水は上雒県の冢領山の東北に発し、弘農を経て河南の鞏県に至る。雒戎はこの水によりて名づく」と。また雒陽県あり、河南郡に属す。『前漢書・地理志注』に顔師古曰く、「魚豢以为らく、漢は火徳に属し、水偏を忌む。故に『洛』の水偏を去りて隹偏を加え『雒』とす。魚豢の説に従えば、是れ光武帝以後始めて『雒』の字に改めたるなり」と。『正字通』に楊慎曰く、「『春秋』に『雒戎』と載せ、『左伝』に凡そ『洛』の字は皆『雒』と作る。必ずしも東漢に至りて始めて改むるにあらず」と。按ずるに、魚豢の説必ず所拠あるべし、故に顔師古これを採用す。今本『左伝』は『洛』を皆『雒』に作るも、いかでか古本『左伝』の『洛』と作らざりしを知らんや。今の『左伝』の本に拠りて魚豢の説を駁すべからず。また雒県あり、広漢郡に属す。『前漢書・地理志注』に音は「山」、雒水の発する所にして、南流して新都谷に至り湔水に合すとあり。また姓を指す。『後漢書・南蛮伝』に「徴側は麊泠県の雒将の女なり」とあり。また「絡」に通ず。『荘子・馬蹄篇』に「之を刻み、之を雒(らく)す」とあり。注に「雒は絡と同じ」とあり。また「額」に通ず。『前漢書・韓嫣伝』に「その子韓増、龍雒侯に封ぜらる」とあり。注に「雒、或いは額に作る」とあり。