康熙字典解説
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【未集中】【糸部】綸;康熙画数 14、頁 928
『広韻』は力迍切と注音す。『集韻』『韻会』は龍春切と注音し、音「倫」に同じ。
『説文解字』に「青き絲の綬帯」と釈す。
『後漢書・輿服志』に「百石の官は青紺色の綸帯を佩び、彩紋婉転交錯して織り成し、長さ一丈二尺」と記す。
また『広韻』に「絲線の綸帯」と指す。
『釈名』に釈して曰く、「綸とは倫理の義あり、之を作るに一定の条理あるなり」。
『易経・屯卦』に「君子以て経綸す(経営筹划す)」と云う。
『疏』に釈して曰く、「綸は綱紀を指し、布を織る時の経緯線の組織の如し」。
『礼記・緇衣』に「王言絲の如く細し、出でて綸の如く太し」と云う。
『疏』に釈して曰く、「綸は絲より粗し」。
『後漢書・章帝紀』に「綸絮を吹ず」と見える。
『註』に釈して曰く、「綸は絮の如くして更に細し」。
また『易経・繋辞』に「故に能く天地の道を包羅す」と云う。
『釈文』に諸家の説を載す:京房曰く、「綸は知るなり」。王粛曰く、「綸は纏繞包裹なり」。荀爽曰く、「綸は軌跡なり」。
また『詩経・小雅』に「此人釣りを為し、釣糸を繋ぐ」と云う。
『伝』に釈して曰く、「綸は釣りの絲線なり」。
また『荘子・斉物論』に「而して其の子又文采の綸を以て終結す」と云う。
『音義』に釈して曰く、「綸は琴瑟の弦を指す」。
また草名なり。
『爾雅・釈草』に「綸草は綸帯に似たり、組草は組帯に似たり。東海に産す」と云う。
『博物志』に「綸草は婉転する縄に似たり」と云う。
また姓なり。
『三国志・魏志』に「孫文懿の臣に綸直という者あり」と記す。
また地名なり。
『左伝・哀公元年』に「虞思ここに二つの姚姓の女を彼に嫁がせ、且つ綸の地を以て封邑と為し彼に与う」と記す。
『註』に釈して曰く、「綸は虞国の城邑なり」。
また『集韻』に盧昆切と注音し、音「論」に同じ。義も同じ。
また『広韻』に古頑切と注音す。『集韻』に姑頑切と注音し、音「鰥」に同じ。青き絲の綬帯を指す。
『北堂書鈔』に『晋紀』を引いて曰く、「王敦甘卓を討たんと欲し、人を遣わして白き綸巾を甘卓に送れり。甘卓受けず」。
また「謝万嘗て白き綸巾を戴けり」と記す。
『正字通』に釈して曰く、「綸巾は一種の頭巾なり。世間伝えて諸葛亮軍中に在りて嘗て之を佩ぶと。俗に某字と書く」。
また『韻補』に叶音闾員切とす。
『道蔵・元始歌』に唱えて曰く、「黄庭戊巳流源無く、五臓十二綸を徹通す」。