康熙字典解説
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【亥集中】【鳥部】鳩;康熙筆画:13;頁 1481。『唐韻』居求切、『集韻』『正韻』居尤切、いずれも九平声。『説文』に「鶻鵃」とあり、山雀に似て小さく、尾は短く、青黒色なり。『禽経』に「笨拙なる鳥は鳩に如くものなし、巣を作らず」という。『詩・召南』に「鵲には巣あり、鳩これに居る」という。『礼・月令』に「仲春、鷹化して鳩と為る」とあり、また『王制』に「鳩化して鷹と為り、しかる後に羅を張る」とあり、注に「これは仲秋を指す」という。また官名なり。『左伝・昭公十七年』に「郯子曰く、少皞氏は鳥の名をもって官を名づく。祝鳩氏は司徒、鴡鳩氏は司馬、鳲鳩氏は司空、爽鳩氏は司寇、鶻鳩氏は司事。五鳩は民を集むるの官なり」とある。『厳粲詩緝』に「左伝の五鳩は皆『詩』に見ゆ。祝鳩はすなわち鵓鳩にして、『四牡』『嘉魚』の‘鵻’これなり。鴡鳩はすなわち‘関関雎鳩’の‘鳩’なり。鳲鳩は布穀鳥にして、『曹風』の‘鳲鳩’これなり。鷞鳩はすなわち『大明』の‘鷹’なり。鶻鳩はすなわち鱟鳩にして、『班鳩』『小宛』の‘鳴鳩’にあらず、また『氓』の‘桑の実を食む’の‘鳩’にもあらず」という。また蒙鳩はすなわち鷦鷯なり。『荀子・勧学篇』に「南方に鳥あり、名づけて蒙鳩という」という。また『爾雅・釈詁』に「鳩、聚なり」とあり。『正字通』に「鳩は陽気を聚むる能う、故に義を聚に取る」という。『書・堯典』に「共工方に功を聚め顕す」とあり。『左伝・襄公二十五年』に「沢に聚まる」という。また安んずるの義、聚むるの義なり。『左伝・隠公八年』に「君は三国を図るを棄てて、その民を安んず」とあり。また『襄公十六年』に「あに魯をして安からしめざらんや」という。また国名なり。『山海経』に「始鳩国は海中轅厲の南に在り」とあり。また舒鳩は楚の附庸国なり。『左伝・襄公二十四年』に見ゆ。また地名なり。鳩茲。『左伝・襄公三年』に「楚の子重、呉を伐ち、鳩茲を克ぐ」とあり、注に「呉の邑なり」という。また山名なり。『山海経』に「北へ二百里、発鳩山と曰う」とあり。また人名なり。汝鳩は商湯の賢臣なり。また小腹の下を鳩口と曰う。『巣氏病源』に「踵を斜めて鳩口の内に至る」という。また『韻会』に「渠尤切、音は裘。‘馗’に同じ。土菌の一種にして食すべし」とあり。また葉して斤於切、音は居。『道蔵歌』に「重重として萌芽し郁郁として赫たり、南風鳴鳩を引く。既に栄華顕耀の約を忘れたれば、何ぞ仙人の居を貴ばざらん」という。『説文』に「鳩は鳥に従い、九声」とあり。『禽経』に「九鳥を鳩と謂う」とあり、あるいは鳩の字が‘九’に従うは此によるという。『列子・天瑞篇』に「一変じて七と為り、七変じて九と為る。九は窮尽の義なり。ここに変じて再び一と為る、故に名づけて鳩と曰う。これ鳩の字が‘九’に従う所以なり」という。『玉篇』に「あるいは‘勼’と作る」とあり。