【巳集下】【犬部】狗;康煕筆画:9;頁碼:709 頁 12 行
【唐韻】古后切【集韻】【韻会】【正韻】挙后切、音は「苟」に同じ。
【説文】孔子曰く、「狗とは叩なり。気を叩いて吠え、以て守る」。形は「犬」に従い、「句」を声とす。
【爾雅・釈畜】長毛未だ生ぜざる犬を狗と曰う。【注】謂わく、狗の子にして未だ毛を生ぜざる者なり。
【又】雑毛の犬も亦狗と曰う。
【易・説卦】艮は狗を象る。
【礼・曲礼】尊客の前に於いては狗を叱らず。
又【汲冢周書】正西崑崙に狗国あり。
【五代史】狗国の人は狗頭人身にして、通身毛ありて衣を着ず、語る所は狗鳴のごとし。その妻は皆人にして、男を生ずれば狗となり、女を生ずれば人となる。自相婚嫁し、穴居して生食す。
又星名。【史記・天官書】天狗、状は大なる流星のごとし。
又鳥名。【爾雅・釈鳥】鴗、一名天狗。【注】小鳥なり。青きこと翠のごとく、魚を食む。江東之を水狗と謂う。
又【揚子・方言】螻蛄、南楚之を杜狗と謂う。
又木狗。【正字通】熊大古『冀越集』に曰く、「木狗は広東左右江の山中に産す。状黒狗のごとく、能く樹に登る。その皮を以て衣と為せば、足腿の風疾を治す。元世祖足疾ありて、其の皮を取って袴と為す」。
又渓狗、虫名。【正字通】陳蔵器曰く、「南方の渓中に産す。状蛤蟆のごとく、尾長さ三四寸あり。渓毒及び遊蠱を治す」。
又草名。【爾雅・釈草】蘻、一名狗毒。【疏】蘻は又名狗毒なり。
又地名。【斉語】燕を主として、其の地を帰し、柴夫・吠狗を含む。【注】是れ燕の二邑なり。
又人名。【左伝・襄公二十九年】呉の公子季札衛に至り、蘧伯玉・史狗を好む。
又姓。【正字通】漢に狗未央という者あり。『印藪』に見ゆ。
又【韻会】「

」に通ず。荀子曰く、「(ある獣)は鶏を相するに如かず、故に名づく」。【埤雅】「狗」の字は「苟」に従う。韓子曰く、「蠅営狗苟」。「狗苟」なれば、故に「苟」に従う。按ずるに、荀子『儒効篇』の今本は「狗」に作る。
又【集韻】許候切、音は「詬」に同じ。本字は「

」なり。熊虎の子を指す。或いは「豿」と作る。【爾雅・釈獣】熊虎の類、その子を狗と曰う。【注】律に曰く、「虎を一獲すれば銭三千を与え、虎の子を獲れば半減す」。【疏】郭璞当時の律を引いて、虎の子の名を狗とする意を証す。