康熙字典解説
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【亥集上】【馬部】騶;康煕筆画 20;頁 1443。『唐韻』『正韻』側鳩切、『集韻』『韻会』葘尤切、音は鄒。『玉篇』に「騶虞は義獣にして、至徳感じて則ち現る。馬の属なり」とある。『埤雅』に「騶虞は尾身より長く、西方の獣なり。生草を踏まず、自死の肉を食らう」とある。『詩・召南』に「于嗟乎騶虞」と見える。按ずるに、『賈誼・新書』は诗中の騶虞を騶人と虞人と解し、獣に非ずとする。『正字通』に「騶虞は或いは騶吾・騶牙と作る。吾・牙の字は虞と異なれども、皆騶虞を指す」とあり、『字彙』は騶虞・騶牙を二種の獣に分つは拘泥なり。又『説文』に「厩御なり」とあり。『礼記・月令』に「季秋、天子田猟に教へ、僕及び七騶に命じて咸く駕せしむ」とあり。注に「七騶とは趣馬を謂ひ、諸官の為めに駕し卸すことを主る者なり」とあり。疏に「天子の馬六種あり、各々騶人して之を掌らしむ、即ち六騶なり。又総てを統ぶる者あり、六騶に総管を加えて七騶とし、皆馬を用いて駕す」とある。又『左伝・成公十八年』に「程鄭乗馬御となり、六騶焉に属し、群騶をして礼を知るべしと訓ぜしむ」とあり。注に「六騶とは六閑の騶なり」とある。又騶虞は県名なり。『前漢書・地理志』に「西河郡騶虞県」と見える。又姓なり。周の騶衍・騶忌は皆斉人、『戦国策』に見える。又菆と同じ。『前漢書・鼂錯伝』に「材官騶発す、矢道同じく的に至る」とあり。注に蘇林曰く「騶の音は馬驟の驟のごとし」。如淳曰く「騶は矢なり」。師古曰く「騶は良箭を指す。『春秋左氏伝』は菆の字を作り、読み同じ。騶発とは良箭を発して射るを謂う。蘇林の注音は誤りなり」とある。又趨走の趨と同じ。『荀子・正論篇』に「歩武象の楽に合ひ、疾行韶濩の楽に合ふ、耳を養う所以なり」とある。又葉音逡須切、音は趨。『前漢書・叙伝』に「舞陽刀を鼓し、滕公厩の騶なり。潁陰商販、曲周庸夫。竜に攀り鳳に附き、天衢に乗ず」とあり。又葉音窓俞切、音は芻。『淮南子・原道訓』に「四時を馬とし、陰陽を騶とし、雲に乗り凌霄し、造化者と倶にする」とある。又『集韻』に才候切、驟と同じ。『礼記・曲礼』に「車駆而して騺す」とあり。注に「騺の音は驟なり」とある。考証:『左伝・成公十八年』「程鄭乗馬御となり、六騺馬に属す」は、謹んで原文に照らして「馬」を「焉」に改む。『前漢書・鼂錯伝』「材官騺発す、騺矢道同じく的に至る」は、謹んで原文に照らして下の「騺」の字を省く。『荀子・正論篇』「歩武象に中り、騺韶濩に中り、以て耳を養う」は、謹んで原文に照らして「以」の字の上に「所」の字を増す。