康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1365 ページ)
【戌集中】【隹部】雅;康熙筆画:12;頁碼:1365 頁 14 行目
『唐韻』に「烏加切」とあり、『集韻』に「於加切」とあり、音は「丫」に同じ。
『説文解字』に「楚の烏なり。一名鸒、一名居。秦においては之を雅と謂う。形は隹・牙に従う」とある。
【注】徐鉉曰く、「今俗に別に鴉と作るは非なり」。
『集韻』にもまた「鴉」または「鵶」と作る。
また『小爾雅』に「小而腹白にして反哺せざる烏を雅烏と曰う」と見える。
また『唐韻』に「五下切」とあり、『集韻』『韻会』『正韻』に「語下切」とあり、音は「庌」に同じ。義は上に同じ。
また『玉篇』に「正なり」と釈す。
『爾雅疏』に「雅とは正の義なり」とある。
『周礼・春官・大師』に「六詩を教う。一に風、二に賦、三に比、四に興、五に雅、六に頌」とある。
【注】雅とは正の義なり。当今純正の詩を指して、後世の範とするをいう。
また『詩経・小雅』に「以雅以南」という句あり。
【箋】雅は万舞を指す。周代の音楽は武徳を尚ぶがゆえに、万舞を雅と称す。雅とはすなわち正なり。
また『論語』に孔子の雅言を用うることを載す。
【注】孔安国曰く、「雅言とは正言なり」。
【朱注】雅は常の義なり。
また『玉篇』に「儀態、嫻雅なり」と釈す。
『史記・司馬相如伝』に「車騎に従い、儀容雍容閑雅にして甚だ麗し」と見える。
また『玉篇』に「平素、素よりなり」と釈す。
『史記・張耳陳余伝』に「張耳素より交遊を好む」と見える。
【注】韋昭曰く、「雅とは素より、一向の義なり」。
また『史記・淮南王伝』に「天子、伍被の辞の常に直なるを以て、数たび漢の美政を引く」と見える。
『後漢書・竇后紀』に「及び見て、素より其れを美と為す」と見える。
また楽器の名を指す。
『周礼・春官・笙師』に楽器「応雅」と見える。
【注】雅は形漆筒に似て口敛り、大二囲、長さ五尺六寸、羊皮を以て之を覆い、紐二つ有り、上に絵彩あり。
また酒器の名を指す。
『東観漢記』に「今日は歳首なり。請う雅寿を献ずべし(雅を以て酒を飲み寿を祝す)」と見える。
【注】雅は酒器なり。また別字に作る。
また姓なり。
『正字通』に「元に雅琥という詩人あり」と見える。
また『五音集韻』に「五加切」、音は「牙」に同じ。人名に用いる。『周書』に君雅あり、また「牙」に通じて作る。
また葉音は「語可切」と読む。
『仲長統・述志詩』に「百慮何為ぞ、要は己に在り。背き散じて五経を離れ、抛棄して風雅を毀つ」とある。