康熙字典解説
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【子集下】【冫部】冶;康煕字典画数:7;ページ番号:第 131 頁第 31 項
【唐韻】「羊者切」の音、【集韻】【韻会】【正韻】「以者切」の音で、「野」と同音。
【説文解字】「消融」と釈す。字形は「仌」(氷)と「台」より成り、氷に関わることを示す。
【三蒼】「熔化」と釈す。熱に遇えば流れ、冷に遇えば凝固す。氷の性質に似たるがゆえに、字形は「氷」に従う。
【正韻】「熔化・銷熔・鋳造」と釈す。
【韻会】熔炉にて鋳造することを「冶」という。『尸子』を引きて曰く、蚩尤かつて九種の冶鋳の具を作れりと。
また鋳造の工匠を「冶」という。『前漢書・董仲舒伝』に「金属は熔炉中に在り、全く冶鋳する者に依りて鋳らる」との句あり。
また「妖冶」を指す。【説文】女子の姿態と釈す。『易経・繋辞』に「妖艶の容貌は淫邪を招く」との説あり。【正韻】「装飾」と釈す。
また姓として用いる。【広韻】に、『左伝』に衛の大夫冶厪ありと記す。
また【玉篇】に、複姓「公冶」ありと記す。
また江南に地名「梅根冶」あり。【宋書・百官志】に、江南に梅根及び冶塘の二処の冶鋳の場ありと記す。【庾信・枯樹賦】に「南陵は梅根を以て冶鋳の地と為す」との句あり。【孟浩然の詩】に「火熾なり梅根冶」との描写あり。これらは皆晋代の冶鋳の官吏が駐せし地なり。楊慎は「冶」すなわち「野」の字なりと謂えるも、これ誤りなり。
また【韻補】に叶音「演女切」、「与」と同音。【斉・武帝・估客楽詩】に「昔樊鄧の役を経、潮は梅根冶を阻む。深く往事を懐いて悵み、意満つれど辞叙べず」との句あり。
また叶音「鄔果切」、「婐」と同音。容貌を意味す。【謝恵連の詩】に「酈生文章無く、西施妖冶を整う。胡ぞ空しく耿介ならん、悲しいかな君が志の瑣細なる」との句あり。