康熙字典解説
康熙字典の原典を見る(第 1302 ページ)
【戌集上】【金字部】鉞;康煕筆画:13;頁 1302【広韻】【集韻】【韻会】王伐切、音は越。【広雅】に「鉞は斧なり」とある。【書・牧誓】に「周の武王、左手に黄鉞を杖く」とある。【左伝・昭公十五年】に「戚鉞と秬鬯あり」とある。【疏】に「鉞は大にして斧は小なり」とある。【太公・六韜】に「大柄の斧、重さ八斤」とあり、また天鉞ともいう。【釈名】に「鉞とは豁(ひら)く之义なり。指す所、敢えて当る者なく、嘩然として破れ散ず」とあり、また星名なり。【史記・天官書】に「東井は水事を主り、其の西に曲れる星を鉞と曰う」とある。【説文解字】に「本は戉と作る。大斧なり。又鉞車の鈴声を指し、呼会切、『詩』に引きて『鈴声鉞鉞たり』と曰う」とある。【徐鉉が曰く】「俗字は鐬と作る。鉞の字を以て斧戉の戉に用うるは非なり」と。【正字通】に按ずるに、徐鉉の説は迂遠にして通じ難し。『説文』に越・狘皆戉より声を取り、鉞も亦戉よりして誨のごとく読み、別に鈴声と解するは自ら矛盾す。徐鉉が俗字を鐬と作るというは非なるも、戉より声を取るに嘒の読みなきを知らざるは、更に非なり。古は戉と作り、『司馬法』にも戉と作る。『詩』『書』『周礼』及び史伝には鉞と作る。鉞は蓋し戉の異体字なるべし。