【酉集上】【言部】誘;康煕筆画:14;頁碼:1162 頁 15 行。
古文は「羐」と作る。【唐韻】は「与久切」、【集韻】【韻会】は「以九切」、【正韻】は「云九切」で、音は「酉」に同じ。【爾雅・釈詁】に「進なり」とあり、導き促すの意。
また【詩経・陳風・衡門の序】に「衡門、僖公を誘う」とあり、【箋】に「進なり」と注し、僖公を導くを意味す。
また【玉篇】に「相勧む」とあり、勧奨の意。【広韻】に「道なり」とあり、導き開くの意味。【尚書・大誥」に「肆予大化、我が友邦の君を誘う」とあり、【伝】に「その固執を感化し、その順従を導く」と注す。【詩経・召南】に「女懐春す、吉士これを誘う」とあり、【伝】に「導く」と注す。
また【広韻】に「教なり」とあり、教導の意。【儀礼・郷射礼】に「射を誘う」とあり、【注】に「教う」と釈す。
また【説文】に「相訹呼ぶ」とあり、招き喚ぶの意。【玉篇】に「誘は引くなり」とあり、導き招くの意。【左伝・僖公十年】に郤芮曰く、「幣重くして言甘なるは、我を誘うなり」とあり、贈り物厚くして言葉甜なるは、我を誘惑するなりとの意。【史記・越王句践世家】に「呉の太宰嚭は貪なるが、利をもって誘うべし」とあり、呉の太宰伯嚭は貪婪なれば、利益をもって誘惑し得べしとの意。
また「牖」に通ず。【詩経・大雅】に「天の民を牖す」とあり、【正義】に「牖は誘と通ず」と注す。【礼記・楽記】に「詩に云う、民を誘うこと孔易し」とあり、【注】に「詩には元来『牖』と作る」と説く。
また葉音して「演女切」、音「雨」のごとく読む。【韓愈・元和聖徳詩】に「その凶を恇れしめ、その誘を餌す。その出づること穰穰たり、隊を以て万数す」とあり、「数」は上声に読む。【説文】の本字は「

」と作り、或体は「

」と作る。【集韻】に或体は「

」と作る。字の原形は「⺼」に従い「処」に従って成る。